令和3年3月定例月議会での代表質問

質問内容

「はじめに」について

新型コロナウイルス感染症対策について

かとう治
 新型コロナウイルス感染症についてこれまで行ってきた対策として、接触の機会を減らすことを優先して取り組んでおられたと伺っていますが、具体的な内容をお伺いします。
 また、枚方市では、感染症対策は、国・府の動向に従って行うと伺っておりましたが、昨年12月7日より、枚方市独自の判断で施設の利用を休止されました。一方他市では、それまでに取り組んできたソーシャルディスタンスの考え方に基づき、施設利用が継続され、成人式も執り行われました。本市では、突然の延期等により市民からの苦情も多く寄せられていましたが、その点についてどのようにお考えなのか、見解をお伺いいたします。

市長
 本市では、新型コロナウイルス感染症の拡大早期から、市役所庁舎や公共施設において窓口に飛沫防止シートを設置するほか、本市職員のテレワークの推進や時差出勤をはじめ、各種手続においても申請書等の提出を郵送にするなど、従来の方法にとらわれることなく、新しい生活様式に対応した取組を進めてきました。特に、本市独自の方策としては、昨年12月7日から市の公共施設の利用中止を行い、接触の機会を減らす感染症対策を講じてきたところです。
 施設利用の中止等に当たり、市民の皆様には御不便をおかけしましたが、当時、府内で新型コロナウイルスの感染者、特に重症患者が増加し、医療体制が逼迫したため、レッドステージへ移行し、府内全域で不要不急の外出自粛が要請されていました。市内でも感染者が増加し、高齢者施設等でクラスターが発生していた状況を重く受け止め、市民の皆様の行動変容を促して、外出自粛の要請を実効的なものとするため、より積極的な対応が必要であると判断し、施設利用の中止等を行ったものであります。

かとう治
 先ほどの答弁では、より積極的な対応が必要であると判断し、施設利用の中止を行ったとお伺いしました。背景に医療体制が逼迫していたことも理由だと述べられてましたが、今後、本市で行われる市民へのワクチン接種はとても重要だと考えます。より迅速にワクチンに無駄が出ないように計画を立てていく必要があると思われますが、ワクチン接種に関する進捗と課題について、お伺いします。

市長
 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてですが、現在、国が示すスケジュールに沿って、3月下旬以降、65歳以上の高齢者に対する接種券の個別通知の発送準備を進めているところです。また、3月1日から新型コロナワクチン予約・相談コールセンターを開設し、ワクチン接種に関する市民の疑問に対応しているところです。今後、本市へのワクチン供給量が示されましたら、接種開始時期や予約可能数を確定し、予約受付を開始する予定です。
 課題としましては、ワクチンの供給量が示されてから、短期間に開始時期や接種体制の規模を決定し周知しなければならないことや、一時期にたくさんの方に接種券の個別通知を行うことで予約が殺到することなどが考えられます。

かとう治
 新型コロナウイルス感染症の影響については、本市始まって以来の有事と認識しております。何をしてよいのか、方向性も手探りで大変であったことは十分に承知しております。しかしながら、施設利用においては、国や府に準じていくという方針を根底から変えて、本市独自の基準を設けるなど、市民の方々が右往左往されるような状況も感じられました。
 新型コロナウイルス感染症については、これから第4波が来ることも想定されます。そのことも見据えて、今後重要なのは、自治体レベルでの対応が鍵を握ると思われます。これまでの経験を踏まえ、問題が生じた際には、その都度、適切な対策を取れるように、今から整えていただきますようお願いいたします。
 また、新規感染者についてですが、これまでの状況によっては、受入れ先決定までに時間を要する例もあったと聞いております。さらに、自宅療養中の症状急変なども念頭に置き、万が一に備えて、各医療機関に改めて協力を求めていくよう要望いたします。

変化に強い市役所について

かとう治
 伏見市政において、組織間の連携やチャレンジ精神を職員に求め、機構改革や事務事業の推進に当たってこられた成果は徐々に出てきているのではないかと感じています。それらは組織の雰囲気として表れ、物事に柔軟に対応ができる局面が増えてきたように思います。とはいっても、全てがそうであるわけでなく、できている部署や人材は偏っているのではないかと思うところもあり、我々としても枚方市役所の取組についての評価は是々非々でやっていくつもりであります。
 さて、新型コロナウイルス感染症対策について、既に1年という期間が経過しています。1年前は緊急事態宣言に伴う外出自粛、学校園の臨時休校など市民生活は大きく変化しました。新型コロナウイルスが未知のウイルスであることから、さらに恐怖を感じた市民も多く、情報が乏しい中で、ウイルスに対して無知であることにより差別や偏見までも生み出した状況で、自分の命や健康、そして経済活動、さらには感染に対するおそれから、心理的不安など市民生活は本当に厳しい状況であると容易に想像ができます。
 枚方市においても、その時々で様々な対策を講じてこられましたが、正解がない中での手探りの状態で進めてこられたと思います。今後も引き続き新型コロナウイルス感染症に関する対策は継続し、変化に強い市役所が求められると思いますが、そこでまずは、この間の新型コロナウイルス感染症対策において、市長として何に重きを置き取り組んでこられたのか、お伺いします。

市長
 新型コロナウイルス感染症対策を進めるに当たり、市民生活への影響を想像しながら、市民の命を守ることを最優先に感染拡大の予防と社会経済活動の両立を軸に、国や府の支援が届かないところなどを中心に取組を進めてきました。
 また、新型コロナウイルス感染症に関する情報量が増加する中で、事務事業の目的を達成するために新しい生活様式を取り入れることをはじめ、どのようにすれば推進できるのかについて、常に市民目線や事業者目線で考えてきたところです。

かとう治
 市民の命を最優先に考えていただいた上で、感染拡大の予防と社会経済活動を達成するために、様々な取組をしていただくことは問題ないのですが、本当に市民目線、事業者目線など当事者の状況を想像したものになっていたのでしょうか。
 対策についてはそれぞれの考え方があり、これまでの取組にも賛否があると思います。そのことはやむを得ない部分もあると思いますが、市政運営方針においては、市民の思いや事業者の思いをしっかりと受け止め、市民の皆さんが安心して生活できるよう変化に強い市役所へと進化を遂げるとされていますが、市民や事業者が安心できる状態を作るために当事者の気持ちを理解して取り組んでいたのかと疑問に思うことがあります。
 例えば、市民の生活が困窮状態にあることや、心理的不安の解消の必要性、事業者は今どのような支援を求めているのかなど、必要な対策に取り組むべきである部署が実際に対策を取ってくれたのでしょうか。当事者の気持ちに立った対策ではなく、むしろ自分たちが無理をしなくてできること、できるスケジュールでの対策に終始されたのではないかと思います。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の対策本部を設置されていましたが、対策本部の結果、市役所が一丸となって問題や課題解決に取り組めていたのか、対策についてちゃんと協議をされてきたのか、単なる情報共有の場で担当部任せになっていたのではないのかなどと様々な疑問がございます。
 今は、感染拡大の波が少し落ち着いてきていますし、ワクチン接種についても取組が進められています。この間のこれまでの取組についてしっかりと総括して、次の感染拡大の波に対する備えをするべきだと考えます。
 また、職員の意識改革や常に当事者目線であることなど、総括から見えた課題を改めなければ、変化に強い市役所となることはできないと考えますが、市長の考えをお伺いします。

市長
 変化に強い市役所を目指す上では、状況の変化に敏感で、当事者目線での対応が早期に行えることが重要であると考えています。これまでの取組を総括し、当事者目線での対策を常に意識し万全の準備を整え、市民に寄り添い、安心して生活してもらえるように取り組んでまいります。

かとう治
 新型コロナウイルス感染症については、情報不足や不安などから様々な課題を発生させると同時に、ICTの急速な普及など社会を一変させています。このような状況を踏まえて、市役所の役割を明確にしながら、市民生活の向上に向けて取組を進めていただきたいと思います。
 また、機構改革において、新型コロナウイルス感染症に係る総合調整事務を危機管理室に移管されましたが、単に本部の事務局を移管したにとどまらず、新型コロナウイルス感染症に対して、市として組織的な判断ができるような体制づくりや課題を踏まえた改善などに取り組んでいただき、真の意味での変化に強い市役所へと進化を遂げていただくようお願いいたしておきます。

「必ず乗り越える。コロナの先へ」について

スマートシティ化の取組について

かとう治
 本市におけるスマートシティ化については、先日の総務委員協議会や、これまでの別の議員とのやりとりを伺っておりますと、ICTやデータの利活用により、自治体サービスを含めた様々なサービスが実施され、市民生活の中で、その便利さを体感しながら、さらなる市民生活の質の向上を目指すものと理解しています。
 新型コロナウイルス感染症の拡大による、非接触を含めた新しい生活様式の必要性が高まったことも大きな一因として、スマートフォンのアプリの活用を中心に、私たちの生活の中におけるICTの存在感は日々重みを増しています。
 今後、本市のスマートシティ化に向けたまちづくりについて、公民連携などによって目指していくとのことで、この点については、私もスマートシティ化は市役所だけで取り組めるものではなく、もっと民間と連携する必要があると考えます。スマートシティ化に向けた公民連携などの取組については、市役所の全部局に関わる取組として、従前のやり方にこだわらない柔軟な発想で進めていってほしいと考えています。
 一方で、枚方市全体として、こういう方針の下でスマートシティ化を進めていくというようなビジョンを明確に打ち出していくことが、効率的、効果的なスマートシティ化、また民間事業者との円滑な連携を行う上で必要となるのではないかと考えますが、市長の見解をお伺いします。

市長
 本市のスマートシティ化に向けては、市民生活の質の向上を目指す上で、本市としての方向性を明確にしながら、電子申請をはじめとしたスマート自治体の取組と公民連携プラットフォームなどを活用した民間事業者との連携による取組を軸に進めていく考えです。
 民間事業者との連携につきましては、主に実証的な取組を行う中で、枚方のまちをフィールドとして活用していただくなど、民間事業者とのウィン・ウィンの関係を意識しながら、スマートシティ化に関する先進的な取組を積極的に取り入れていきたいと考えております。

かとう治
 スマートシティ化で見据えるICT化による利便性の向上にとどまらず、デジタル技術を手段として、社会構造自体を変えようとするデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの取組が急激に進んでいるところです。
 経済産業省のガイドラインでは、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。
 この定義は、主に企業活動をターゲットとしていますが、私はこのことは自治体行政にも同じように当てはまると考えます。業務やまちづくりの課題を的確に捉えて、デジタル技術という手段をどのように生かすのかということをしっかりと考えていく必要があります。重要なのは、既存事業をデジタル化すること自体にあるのではありません。これまでから本市が直面している人口減少、これに伴う財源の課題などに対して持続可能なまちの発展のためにどう変革するべきかを総合的に考え、デジタル技術と活用するということが大切だと考えます。
 2月には、デジタル改革関連法が閣議決定され、9月には、デジタル庁が創設される見込みであり、自治体においてもDXによる組織風土を含めた構造改革、職員の意識改革は待ったなしの状況です。本市は、DXについてどのように取り組んでいくおつもりなのか、見解をお伺いします。

市長
 本市におけるデジタルトランスフォーメーションの取組については、専門的な知識やノウハウを有する外部人材の活用を図りながら、デジタル技術やデータを最大限に使いこなすことで、さらに市民の役に立つ市役所の構築に向けて、組織風土や職員の意識改革も含めて全庁的に取り組んでいきます。

かとう治
 スマートシティ化、デジタルトランスフォーメーションは、これからの変化の激しい時代の中で、まちづくりに必須の取組であると考えます。市民に寄り添った施策の展開や魅力的なまちづくりの中心として、また、限られた財源の中で持続的な発展を目指す基盤として取組を進めていただきたいと考えます。
 また、それぞれについて民間事業者との連携の下で進める観点で言えば、民間事業者としても新しい技術や取組に一緒になってチャレンジする自治体をパートナーとして求めているのではないかと考えます。スマートシティ化、デジタルトランスフォーメーションにおいて、共に取り組むことで結果が出る自治体といえば枚方市だと注目されるような、積極的な取組を進めていただきたいと要望しておきます。

「重点的に取り組む8つの分野」について

「子育て環境の充実」について

「子ども見守りシステム」について

かとう治
 多様な主体が連携し、社会総がかりで子どもが健やかに育つ社会を実現するため、子どもを守る条例(案)の制定について取組を進めていくために、子ども見守りシステムを構築していくとのことですが、子どもの状況に応じた支援を総合的、継続的、重層的にしっかりと届けるとありますが、具体的にどのようにお考えなのか、お伺いします。

市長
 次に、「子ども見守りシステム」について、お答えします。
 一人一人の子どもの状況に応じた最適な支援を届けるため、現状を的確に把握し、より良い支援の方向性を定め、不足している支援があれば、関係部署と連携し、総合的な支援へつなげていくために庁内の医療、保健、福祉、教育各分野が持つ情報を集約、活用することや、子どもに関する支援が途切れることなく、継続的な支援を組織的に取り組むために必要な支援経過等の情報を適切に引き継いでいくためにICTを活用し、総合的、継続的、重層的な支援を支えるツールとしてシステムを活用して取り組んでいきます。

かとう治
 子ども見守りシステムを活用することにより、子どもを守る仕組みづくりを一層推進していくとのことですが、今後どのように進めていくのか、具体的な内容をお伺いします。

市長
 子ども見守りシステムを活用することで、これまで情報収集にかかっていた時間を圧縮し、関係部署間において援助方針を検討したり、子どもとその家庭と向き合う時間を確保していきます。
 また、システムを所管する子どもの育ち見守りセンターがコントロールタワー、司令塔としての役割を担い、関係機関と連携しながら一人一人の子どもの状況に合わせ、より最適な支援を届けていきます。
 学校においては、子どもやその家庭に対する直接的な支援の強化も図るため、令和3年度からスクールソーシャルワーカーの体制を強化し、教育と福祉の連携をさらに深めながら支援の充実を図ります。

かとう治
 子ども見守りシステムを進めていく中で、庁内の子どもや家庭の情報を一元的に集約していくことにより、情報収集にかかっていた時間が短縮でき、スピーディーに対応が行っていけることは非常によいと考えます。しかし、秘匿性の高い情報を多く集約するため、データセキュリティーへの配慮は最重要課題と考えます。しっかりとした管理、対策を徹底して行っていただきますようお願いいたします。
 また、システムを活用することで利便性を追及することは大切だと考えますが、現状の確認など、アナログでの必要性も大切であると考えますので、その点も踏まえて進めていただきますよう要望いたします。

ひとり親家庭等を取り巻く環境について

かとう治
 我が国では、2018年の国民生活基礎調査によると、子どもの7人に1人が相対的貧困状態にあり、ひとり親世帯の貧困率は48.1%と、今もなお高水準となっています。ひとり親家庭等を取り巻く環境について、枚方市での現状をどのように捉えているのか、見解をお伺いします。

市長
 昨年実施したひとり親家庭等へのアンケート調査等を通じて見えてきた現状としては、この間、児童扶養手当の支給要件の見直し等、ひとり親家庭等への子どもへの支援を主眼においた施策の充実が図られてきたところですが、今なお、低賃金や不安定な雇用条件などの就業面や、子育てとの両立も含めた生活面において、ひとり親家庭等を取り巻く環境は厳しい状況にあることを把握しています。とりわけ、養育費については、子どもの健やかな成長にとって重要なものですが、母子家庭において受け取っていない家庭が7割近くに上るなど、その取決めや履行の確保に多くの課題があると考えています。

かとう治
 ひとり親家庭等の生活の向上と安定を図る観点から、現状を踏まえて、枚方市としてどのように対応を行っていくのか、具体的な施策について、お伺いします。

市長
 ひとり親家庭等をより一層支援するため、ひとり親家庭相談支援センターを開設し、総合相談窓口としての機能を強化するとともに、子どもの健やかな成長に資するために必要な養育費確保の重要性について、広く周知します。
 また、養育費の確保の具体化に向けて、相談者一人一人に寄り添う伴走型支援を行い、公正証書の作成などの取決め時から受け取り時において、不払いが発生した場合まで、弁護士の専門的知見も活用しながら、継続的にきめ細やかなサポートを行っていきます。

かとう治
 ひとり親家庭相談支援センターを開設するに当たり、伴走支援を行っていくということは大変有意義であると考えます。
 また、養育費確保に向けた総合的な相談支援体制を整備するとのことですが、公証人手数料、資料取得費用補助並びに保証料の補助と伺っています。サポートするからには、どのような形であっても責任が出てくると思いますが、養育費を受け取らない代わりに子どもに会わせないなどのお話も聞いたことがあります。子どもにとって望ましい面会交流の必要性についても周知するなど、様々な状況の多様化にも対応を行っていかなければならないと考えております。非常にナイーブな内容だと思われますので、隅々まで行き届くように考えていただきますようお願い申し上げます。

「教育環境の充実」について

教職員の多忙化対策について

かとう治
 教員の多忙化については、これまでにも多々答弁がなされてきました。「子どもたちと向き合うことに専念できる環境づくりや、教職員にとって働きやすい職場づくりなど、学校運営や環境整備を進めることで、教職員の多忙化解消につなげます」とも過去におっしゃっておられました。多忙化対策については、教育の質に直結する話だと考えますが、これまでの労働環境の現状と認識について、お伺いします。

教育長
 枚方市では、出退勤システムによる教職員の勤務時間管理を行っています。令和2年度の現状といたしましては、全体の約30%の教職員が月45時間を超える時間外勤務を行っていますが、平成30年度のデータと比較すると、12.2ポイント減少しています。これは、本市のこれまでの取組による成果であると考えています。
 今後も引き続き、教職員が勤務時間を意識した働き方を行うことができるよう、教育委員会として、管理職の労務管理意識の向上に取り組むとともに、学校業務の内容を精選した上で、業務改善の取組を推進していく必要があると認識しています。

かとう治
 これまでの枚方市の業務改善の取組については一定理解いたしました。しかし、今回のコロナ禍でこそ多くの課題が見られたと感じております。私自身も子育て世代として、教職員の皆様には感謝しておりますが、見るからに多くの負担がのしかかっているのが感じられました。行政として、今後の取組や展開についてどのように考えておられるのか、市長の見解をお伺いします。

市長
 子どもたちにとって、学校の先生の影響は大きく、教員が働きがいを感じ、誇りを持って生き生きと教壇に立つことは、教育水準の維持、向上につながるものと考えます。そのためには、学校現場における働き方改革が必須であり、教員が本来業務に専念できるよう、市や教育委員会が主体となって取組を進めていく必要があると捉えています。

かとう治
 市長がおっしゃるように、ぜひ、市や教育委員会が主体となって学校現場の働き方改革を進めていただきたいです。学校の先生方が元気であることは枚方市の子どもたちの未来にとってとても重要です。財政面や施設面での労働環境の充実はもちろんのことですが、市や教育委員会が率先し、学校と一緒に改革を進めることが必要だと思っております。
 学校に対する社会のニーズがどんどんと増えており、先生方の担うべき業務が飽和しているのではないかと私は懸念しております。先生方の本来業務が何であるかを、私も含め、一保護者、一市民として皆がもっと考え、理解を深めなければならないと思っております。学校に要求していることは本当に学校に求めるべきことなのかと立ち止まり、家庭や地域で解決すべきことではないかと立ち止まることが必要だと思っております。そのためには、学校の先生方任せではなく、市と教育委員会と学校が一体となって、学校現場の働き方改革を進めることが必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

児童虐待、子どもの貧困について

かとう治
 児童虐待、子どもの貧困について、一人一人の子どもの現状を的確に把握し、より良い支援を行っていかなくてはならないと考えますが、まずは、市としてどのように現状を捉えているのか、見解をお伺いします。

市長
 児童虐待については、厚生労働省によりますと、令和元年度における全国市町村の児童虐待相談件数は、前年度比約16%増加しており、本市におきましても、特にコロナ禍の今年度は、1月末までの通告数が395件となり、昨年度比約55%増加している状況です。
 子どもの貧困につきましては、議員お示しのとおり、国調査では子どもの7人に1人が相対的貧困状態にあり、とりわけ、ひとり親世帯の貧困率は、本市におきましてもさらに高くなっています。子どもをめぐる問題は深刻さを増しており、子どもを守る仕組みづくりが急務であると認識しているところです。

かとう治
 児童虐待、子どもの貧困等の支援を必要とする事象に対し、関係部局・機関、地域と連携して総合的な取組を推進するとのことですが、具体的にどのように行っていくのか、お伺いします。

市長
 子どもを守る関係条例を整備し、子ども・子育て支援の基本理念や方針を広く市民と共有しますとともに、市域のネットワークをさらに強固なものとし、社会総がかりで子どもを守る仕組みづくりを進めます。
 また、全ての子どもに的確な支援を届けるために、子どもやその家庭の情報を一元的に集約する子ども見守りシステムを構築し、一人一人の状況に合わせた支援を充実し、子どもが笑顔で健やかに成長できるまちの実現を図ります。

かとう治
 本案件については、子どもを守る条例にも深く関わってくる内容であると考えます。近年では、様々な子どもの課題が深刻化しており、痛ましい虐待事件は多く報道されており、時には子どもが加害者となるケースも報告されております。また、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、さらに深刻化することが予想されます。
 また、子どもの貧困の連鎖も問題視されており、社会全体で子どもの成長を支えていくことが必要とされています。子ども見守りシステムについては、様々な子どもに関する情報を集約し、課題の早期対応を行うこと、また、蓄積したデータを分析して新たな施策を構築するなどの未然防止、予防的な支援にも取り組むとお聞きしています。
 今あるデータでも、例えば、生活保護の受給状況を経年比較して困窮度の変化を推計する、また、そのうち子どものいる家庭やひとり親家庭の割合などを出して、どういった世帯が大きく影響を受けているか導き出す、そこに対する支援が必要であれば施策を打っていくということも可能となるのではないでしょうか。
 待ちの姿勢ではなく、こうしたデータを活用して、積極的にアプローチする。このような姿勢が、市長が市政運営方針で述べられた「社会の変化を敏感に捉え、前例にとらわれず迅速に対応」することであり、ICTを活用して市民生活の質の向上を目指すスマートシティ化へのステップにもつながっていくのではないかと思います。全庁的に、あらゆる角度から貧困対策に取り組むことを要望いたします。

「魅力ある都市基盤の整備」について

都市基盤整備が進む長尾駅周辺について

かとう治
 市政運営方針の中で、都市基盤整備が進む長尾駅周辺のまちづくりにおいても多様な主体と共有しながら目指すべき将来像の具体化に向けた検討を進めると述べられています。多様な主体、つまり、地域や企業などが多様化する社会ニーズに適切に対応するよう、協働での地域の将来像の具体化を進めるものと考えます。長尾駅周辺の地域では、地権者や農業従事者の高齢化が進んでおり、所有する農地の営農継続に課題を抱えている人も多くおられます。
 そこで、この長尾駅周辺のまちづくりの将来像について本市はどのように考えているか、お伺いします。

市長
 長尾駅周辺のまちの将来像については、今後、地権者の方々をはじめ、地域の意向をしっかりと確認しながら、土地利用のゾーニングを定めるなど、まちづくり構想の策定に取り組んでいきます。

かとう治
 長尾駅周辺地域のまちづくりについては、地元の代表者を中心としたまちづくり推進協議会において、まちの将来像や、その実現に向けた事業手法などについて検討されていると伺っています。その中で、これからの将来像に対して大きな期待が寄せられている反面、実現化に要する期間が長期に及ぶことに不安を持たれているようです。
 そこで、長尾駅周辺のまちの将来像の実現化について本市はどのように関わっていくのか、お伺いします。

市長
 長尾駅周辺のまちづくりについては、まちの将来像の実現化に向けて、地域のまちづくり組織が多様な主体と合意を図りながら着実に活動していくために、市としても継続的に技術的支援を行い、公民連携によるまちづくりに取り組んでいきます。

かとう治
 高野前市議会議員も、これまでに多く質問されていた長尾駅周辺のまちづくりがようやく進み始めたと実感しています。地域の課題として高齢化が挙げられますが、長尾駅周辺の地権者及び農業従事者の平均年齢は75歳以上であると言われていることを考慮すれば、まちづくり計画の完成に5年以上の歳月を費やしてはならないのではないかと考えております。まちづくりの着実な進捗と早期実現に向けて、今後も公民連携をしっかりと図りながら取り組んでいただくよう要望します。
 また、まちづくり構想の策定に際しては、JR学研都市線の快速停車駅でもある長尾駅周辺で都市計画道路の整備も進み、新名神高速道路からのアクセスも非常によいこの地域の高いポテンシャルを生かして、特色ある新しいまちづくりに取り組んでいただきたい。この地域だけでなく、全国からも注目され、全ての枚方市民がわくわくするようなまちづくりとなるよう要望いたします。

王仁公園の再生について

かとう治
 これまでに王仁公園については、行政内で検討委員会を立ち上げ、在り方を検討してこられましたが、市民アンケートでは、多くの市民が公営プールの継続を求めておられました。
 そこで、まずは、これまでの王仁公園の在り方と現在の取組について、お伺いします。
 また、基本方針を策定するとのことですが、どのような公園を将来のビジョンとして示されるのか、見解をお伺いします。

市長
 王仁公園の在り方については、これまで市民アンケートや民間サウンディングを実施するなど、公園再整備に向けて取り組んできましたが、コロナ禍の影響から延期しているところです。現在も引き続き、社会状況の変化を確認しながら検討を進めており、令和3年度の基本方針策定に向けて取組を進めています。
 基本方針には、市民ニーズを反映した機能や公園経営の方向性など、公園価値を高められるような将来ビジョンを定めていきます。

かとう治
 王仁公園は、プールをはじめ、テニスコートや野球場など様々な公園施設があり、それぞれがニーズの高い施設だと思います。王仁公園の再生について、将来ビジョンをしっかり持って進めていただきたいと思いますし、今回の再生を機に公園全体を有効に活用すべきと考えます。民間事業者のアイデアを活用しながら、オールシーズンを通して収益につながる施設にしていくなど、伏見市長の見解をお伺いします。

市長
 王仁公園の再生に当たっては、それぞれの施設が持つ特徴を生かし、公園全体を有効に利用できるような再生を目指します。
 また、公民連携による複数の事業手法を組み合わせることにより相乗効果を生み出し、年間を通じて多世代の市民が長時間滞在できる公園に生まれ変わらせることで、効率的な公園運営を目指します。

かとう治
 これまでにも様々な意見が飛び交い、例えば、スポーツに特化した在り方など議論がなされてきましたが、平成28年9月定例月議会にて、田口議員より王仁公園の在り方について、あくまで利用者目線での改善と王仁公園本来の目的に返って公園を再整備するよう提案を要望させていただいてから今日に至るまで、事あるごとに触れてまいりましたが、前に進んでいるようにあまり感じません。スピード感を持って、庁内だけで物事を進めるのではなく、市民が実感できるような王仁公園の再整備を進めていただきますよう要望いたします。

地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムについて

かとう治
 健康増進や生活利便性の向上につながる移動支援策として、ボランティアでの移送などを行う地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムのモデル事業に地域との協働で取り組んでいくとお伺いしましたが、改めて、現状と課題について、見解をお伺いします。

市長
 本市における地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムは、地域主体で、交通事業者とも連携しながら、地域の現状やニーズに合った交通を地域と共に考えるものです。これを踏まえ、同交通システムのモデルの一つとして、氷室台自治会での課題を共有した上で、その改善となるボランティア輸送の取組を進めています。
 課題としては、地域におけるボランティア運転手の継続した確保など、持続化であると認識しています。

かとう治
 公共交通不便地域などの移動支援策として、ボランティア輸送の形で、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムが踏み出していくことには、まず一定の評価ができると考えます。
 次に、今回のボランティア輸送は、道路運送法の許可、または登録を要しない範囲での助け合いによるもので、運賃は無料になるものと聞いております。前日の代表質問の答弁から、自動車保険の加入費用や運転者講習の受験費用の支援を検討するとのことですが、あくまでボランティアということで、無報酬での運転となることから、担い手が継続していくものかと、私たちとしても、そこに不安を感じています。
 我が会派の長友議員からは、昨年11月からの滋賀県草津市のタクシー会社を運行事業者として、手軽な料金で利用できるデマンド型乗合タクシー、まめタクの実証運行について、前回の一般質問で取り上げました。こうした他市の事例も参考に、ボランティア輸送に加え、様々な手法を用いて、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムが発展、継続するよう取組を進めていただきたいところですが、今後どのように展開されようとしているのか、お伺いします。

市長
 地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムを発展的で持続可能なものとするには、ボランティア輸送の効果検証を行いながら進めていくとともに、新たな手法についても、他市事例などの情報収集を行いながら地域協働で検討していきます。

かとう治
 先日の報道でもありましたが、寝屋川市では、高齢者支援に無料タクシーを大阪府内初の事業として4月より開始するとのことです。既に先進事例が多数出てきておりますが、本市としても必要とされる方々のニーズをしっかりと受け止めていただき、明確な成果を求める強い姿勢をもって事業に取り組んでいただきたいと要望いたします。

「産業・観光の活性化」について

観光の活性化について

かとう治
 市政運営方針で伺ったように、令和7年度に開催される大阪・関西万博の効果を見込み、観光施策を戦略的に取り組むことはとても重要なことです。万博開催による経済波及効果は2兆円とも言われ、国内だけではなく、世界中からも多くの人が集まるイベントです。
 現在は、コロナ禍により、インバウンドや国内観光は停滞していますが、これから令和7年度に向け、他市にはない魅力づくりと環境整備などが必要と考えます。この間、地域産業資源の磨き上げに取り組んできたとのことですが、どのような取組をされてきたのか、お伺いします。

市長
 観光に関する取組としては、一例ですが、七夕をテーマにしたジャンボ笹飾りや婚活イベントの実施、淀川舟運の航路開発調査や舟会社による観光コンテンツの新企画、本市の魅力を発信する観光フリーペーパー『ひらいろ』の刊行などに取り組んできたところでございます。

かとう治
 現在、百済寺跡の整備を進められていますが、百済寺跡以外にも継体天皇が即位した地とされる樟葉宮跡の杜など、市内には数多くの地域資源があります。市政運営方針では、七夕や舟運などを地域資源ではなく、地域産業資源と表現されていますが、その考え方について、お伺いします。
 また、今後、この地域産業資源を活用するため、具体的にどのように取り組んでいくのか、併せてお伺いします。

市長
 本市には、枚方宿地区や東部の自然、百済寺跡や楠葉台場跡、淀川や天野川、樟葉宮跡の杜など、数多くの地域資源があります。こうした資源を産業の観点から捉え、地域の活性化につながるものが地域産業資源であると考えています。
 次に、資源を活用した具体的な取組につきましては、事業者や有識者等の御意見を伺いながら策定する観光方針の中でお示しする予定であり、特に事業者や市内大学など産学公の連携が重要であると捉えています。

かとう治
 私の考える観光戦略は、必ず戻ってくるインバウンド需要に対応することと考えます。まずは、大阪・関西万博を目指し、枚方市を国際化都市としてブランドを確立し、他市との差別化を図り、魅力を発信していかなければならないと考えております。
 例えば、行政が先導し、ICT環境の充実をしっかりと行い、あらゆる言語の方々に対してもワンタッチで宿泊や飲食などの手続が行えるよう対応することや、2020年4月に電子化された免税販売手続に対応することを要望します。加えて、近年では当たり前になっているWi-Fi環境を地域産業資源の磨き上げの一環として整備していただくことも併せて要望いたします。

産学公の連携による地域産業の活性化について

かとう治
 産学公連携で活性化に向けた取組は、ひらかた地域産業クラスター研究会を中心に、これまで約15年行ってこられたと伺っています。これまでの活動を踏まえ、現状での課題をどのように認識し、今後の展開をどのようにお考えなのか、お伺いします。

市長
 ひらかた地域産業クラスター研究会における産学公連携については、これまで、医療分野における大学と企業との連携実績はありますが、市内産業のさらなる活性化に向けて、研究会の活動をより一層活発化させることが課題であると捉えています。
 今後、市内事業者が取り組む地域活性化事業への支援や起業支援、雇用対策など、本市における商工業の振興を総合的に推進するため、外部人材の提言や助言も得ながら、産学公連携の新たな展開に取り組む考えです。

かとう治
 枚方には優秀な企業がたくさんおられます。市内事業者の新たな分野への進出、製品開発につながる様々な連携のきっかけとなる場の創出はとても重要だと考えますし、さらに充実を図っていただきたいと思います。
 また、これから起業される方への支援については、これまで市の支援策を活用し事業が成功された方のお話も聞いておりますので、起業を志す方への支援も含め、これまでの既成概念を取り払って、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。今後も継続して効果的な支援策を実施していただくよう要望しておきます。

「農」を生かした産業の活性化について

かとう治
 摂南大学農学部と連携して、スモモサイダーづくりに取り組まれているようですが、今後、農業特産物の創出や商品開発に向けてどのような取組を考えておられるのか、お伺いします。

市長
 都市農業を産業として確立するためには、本市の気候、風土に適した特産物の創出や、一般消費者だけでなく食品加工業者などのニーズに応じた6次産業化の推進が重要であると考えています。今後も引き続き、摂南大学農学部と連携を図りながら、農業特産物の創出や商品開発に向けた研究等に取り組むとともに、商工業者と農業従事者とのマッチングの機会についても検討していく考えです。

かとう治
 農を生かした産業を活性化させるためには、地域との連携は必要不可欠であり、地域が一体となって取り組むことで、高齢化が進む地域の活性化にもつながります。スモモサイダーを皮切りに、摂南大学との連携事業を促進していただくとともに、地域と一体となって、新たな地域ブランドの農業特産物を開発するなど、まちづくりの一環として取り組んでいただくことを要望します。

東部地域や市駅周辺再整備に係る地域活性化策について

かとう治
 「東部地域や市駅周辺再整備に係る地域活性化策について体制を整備し、取り組みを強化していきます」とされておりますが、東部地域や市駅周辺再整備に係る地域活性化について、市長はどのような考えを描いておられるのか、また、何を期待されているのかについて、お伺いします。

市長
 東部地域は、里山や農地など豊かな自然環境に加えて、第二京阪道路など交通の至便を併せ持つ地域として、また、枚方市駅周辺は、行政機能、商業、業務機能などが集積する広域中心拠点として、それぞれの特性を持つ地域であり、本市の魅力向上を図る上で重要な地域であると考えています。
 こうした地域が持つ特色や強みを最大限に引き出し、またICT技術を活用した社会実証をはじめ、公民連携による取組などをより一層推進することで、さらなるまちの活性化を図り、本市の持続的な発展につなげていく考えです。

かとう治
 東部地域を活性化しようとする取組と、一方で市長が進めようとされているスマートシティの推進、あるいは、その先のスーパーシティも見据えておられるかもしれませんが、相乗効果が期待できるようなものではありません。市長が東部地域の活性化を本気で考えていくのであれば、例えば、市として計画を立て、活性化を進める目的や目標を明確に示し、市民や職員とも活性化のイメージを共有して進めていく必要があるということを意見として申し上げておきます。

地元スポーツチームとの連携について

かとう治
 市政運営方針において、見るスポーツの充実とスポーツツーリズムの確立を図るとのことですが、本市において具体的にどのように進めていくのか、見解をお伺いします。

市長
 地元スポーツチームと連携を強化することにより、チームの知名度を生かした効果的な本市のPRや、他市からの集客力を観光や交流人口の増加へつなげていきたいと考えています。
 また、こうした取組は、民間事業者と連携して行うことで、市内経済の活性化につながると捉えています。

かとう治
 パナソニックパンサーズやFCティアモ枚方など、知名度のあるスポーツチームとの連携を進める一方で、今後活躍が期待される個人や団体、ほんの少し支援してあげることで成長できるような競技者、誰もが楽しめるマイナー競技の普及に取り組んでおられるグループなど、市内には幅広くの方々がおられます。こうした、未来に花開くことが期待されるような団体や個人に対し、市はどのような支援を行っていくつもりか、市長の見解をお伺いします。

市長
 現在は、各競技の連盟やスポーツ少年団などを通じて、大会の開催や指導者の育成など様々な競技者への支援を行っています。今後、スポーツ競技の多様化などにより、支援の行き届いていない個人、団体に対する取組について、スポーツ協会とも連携しながら、効果的な支援策を検討していきます。

かとう治
 地元スポーツチームとの連携については、チームへの愛着を深めることでスポーツによる地域活性化につなげられるなど様々なメリットがありますので、積極的に進めていただきたいと思います。
 その上で、しっかりとアイデンティティーを育んでいただき、誇れるまちへと目指していただきたい。これを進めるに当たっては、市民の御理解や御協力がとても重要であると考えています。そのために、議会との情報共有や意見交換もしっかり行いながら、丁寧な対応をお願いいたします。
 また、今後活躍が期待される個人や団体に対する支援についても、民間企業が支援できる仕組みをつくるなど、市全体で応援できるような取組を進めていただくよう要望いたします。

スポーツイベントの開催に関する施設の利用基準の見直しについて

かとう治
 これまでに、漆原議員も見直しについて度々お話をされてきましたが、消費誘導や都市の魅力の向上など、スポーツイベントは開催都市に様々な利益をもたらすと言われており、種々様々な国際大会の誘致活動も盛んに行われるなど、スポーツイベントの可能性はとても広がっていると考えます。
 総合体育館でも、これまでに社会貢献も踏まえた大相撲やボクシングなど大きな興行が行われてきました。しかしながら、地域で頑張っているプロレス団体などの興行は、今の基準では利用ができないようです。このような地元の小さな興行などに関して、今回の見直しで開催ができるようになるのか、お伺いします。

市長
 スポーツイベントの開催に関する施設の利用基準の見直しにおいては、スポーツによるにぎわいを創出するために、市民の利用機会の確保に留意しながら、様々なニーズに対応できるものにしたいと考えています。

かとう治
 今の利用基準では利用できず、仕方なく他市で実施しているなどの声をよくお伺いします。これは枚方市にとって、せっかくの機会を失っていることになると思います。コロナ禍の長い自粛で疲れた市民が魅力のあるスポーツイベントを市内施設で楽しむことができるようになる、そのような柔軟な活用が可能となる見直しを進めていただくよう要望いたします。

「安全・安心のまちづくり」について

防災対策について

かとう治
 本市において、平成30年6月の大阪北部地震、同年9月の台風21号・24号以降、幸いにも大きな災害に見舞われることもなく過ごせていますが、近年、他の地域において、地震や大型台風、集中豪雨などニュースで目の当たりにすることも多く、改めて天災の恐ろしさ、災害に対する備えの重要性を切実に感じているところです。
 加えて今年度は、新型コロナウイルス感染症といった未知のウイルスの影響により、国から2度の緊急事態宣言が発出され、本市においても多くの感染者が発生しました。今後もしばらくはこの新型コロナウイルス感染症への対応が必要になると考えますが、新型コロナウイルス感染症蔓延下において、もし、今、災害が発生し、避難所が開設されることになった場合、感染症への備えはできているのでしょうか。
 また、今年度は感染者が確認され休校となった小学校もあったことから、感染者が出て休校となっている学校施設の利用についても見解をお伺いします。

市長
 新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営を行うため、避難所運営マニュアル(感染症対策編)を作成し、避難者を受け入れる際の健康状態の確認や体調不良者の受入れスペースの設定、居住エリアのレイアウトや衛生環境の確保の取組等を定め、これに基づく実働訓練を実施しているところです。
 また、感染者が確認され、休校となった小学校の災害時の取扱いにつきましては、学校施設内の適切な消毒の実施など感染対策に十分注意した上で、その他の避難所と同様に開設することを想定しています。

かとう治
 市政運営方針の安全・安心のまちづくりでは、自助、共助、公助のそれぞれの側面から取組を推進すると示しておられます。その中で、自助を推進する取組として、今後市としては、スマートフォン等によりデジタル技術を活用していくとのことですが、ICT社会の発展を踏まえると、大変重要なことだと考えております。
 現在、第1次避難所となる各小学校の体育館にもWi-Fi環境が整備されており、平時は学校での学習に利用し、災害時には避難者が利用できるように切替えが可能とのことです。有事の際に初めて避難者が接続設定するよりも、校区自主防災訓練のときなどにWi-Fiを開放して接続訓練を行うことで、災害時にもスムーズに利用できるのではないかと思いますが、お考えをお伺いします。
 また、共助を推進する取組として、防災協力農地の登録制度を開始するとのことですが、市として本事業の必要性をどのようにお考えなのか、併せてお伺いします。

市長
 自助を推進する取組であるWi-Fiの接続訓練についてですが、災害発生時を見据えて、様々な実働型の訓練を行うことは、災害対応力を高める上で、有意義な取組であると考えているため、校区自主防災訓練などでの実施を検討します。
 また、共助を推進する取組である防災協力農地についてですが、都市部の農地は、空き地として火災の延焼防止や一時避難場所、災害後の資材置場としても活用できること、また、周辺住民の都市農地への理解促進など、多面的効果を発揮するものであることから、防災協力農地制度は有効な施策と捉えています。

かとう治
 先ほども申し上げましたとおり、今年度は、我が市において災害に見舞われることなく平穏な一年となりました。だから、いま一度危機管理の見直しを徹底して行い、有事への備えを蓄えていくべきではないかと考えます。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症で中止となりましたが、令和元年6月に実施された枚方市総合防災訓練ひこ防’zは、災害に強いまちづくりの推進に非常に有効であると思います。市とその他の関係機関が相互に連携し、災害対応力を総合的に向上させることを訓練の目的とされていますが、今後は、医療機関と連携が必要不可欠であると考えますので、ぜひ次回の訓練では取り入れていただければと思います。
 また、避難所の環境整備の取組として、令和3年4月以降、簡易ベッドやパーティションの購入を計画的に進め、最終的に2,400台の備蓄を目指しておられるとお伺いしていますが、避難所の環境整備については、乳児の授乳スペースや女性の更衣室等の確保も含め、様々な視点での課題があり、改善に向けた取組をより一層進めていただきたいと思います。
 今後も、議会と共に検証する機会をつくっていただきながら、我が市の防災対策の充実を図っていただきますよう要望いたします。

「健康・福祉のまちづくり」について

高齢者の新しい生活様式の実践について

かとう治
 市政運営方針では、「高齢者が新しい生活様式を実践できるよう、通信事業者と連携して、スマートフォンの保有・利用の促進に取り組みます」と伺いましたが、年代別のスマートフォン保有状況を見れば、今後、一定の年数が経過することで、自然と高齢者への普及が進むと考えられます。
 そこで、なぜ今のタイミングで公費を投入して高齢者へのスマホ普及策を実施するのか、その理由をお伺いします。

市長
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ICTが生活のあらゆる面で浸透しつつある今、高齢者が新しい生活様式を実践するには、行政として一定のサポートを行いながら、もっとも身近なICT機器であるスマートフォンの普及を促進する必要があり、こうした取組により、スマートシティ化による生活の質の向上が幅広い年齢層に広がるものと考えています。

かとう治
 高齢者の新しい生活様式の実践について、行政としてはスマホの普及を促進する必要があるとの御答弁でしたが、そのためには、民間事業者との連携や協力が不可欠です。具体的に、どのように連携、協力を図っていくのでしょうか。また、現在の検討状況や今後の取組について、お伺いします。

市長
 高齢者へのスマホの普及促進については、複数の通信事業者にサウンディングを行った結果、高齢者がいわゆるスマホデビューをする際、LINEアプリのダウンロードと市公式アカウントへの登録などを行うとともに、既にスマホを保有しているものの十分に利用できていない高齢者を含め、広くサポートを行うことについて、無償での協力が可能との回答を得ています。
 今後は、スマホ実機の無償貸出しなど、通信事業者からさらなる協力が得られるよう、引き続き取り組んでいきます。

かとう治
 高齢者の中には、スマホをはじめとしたICT機器について必要性を感じないという方が相当数存在しています。しかし、スマートシティ化を推進する上で、高齢者に対するICT機器の普及は必要不可欠であるため、困難であっても、民間事業者と連携して知恵を出し合い、確実に普及を進めるよう要望いたします。

成年後見制度について

かとう治
 地域共生社会の実現に向けて、権利擁護支援の一つである成年後見制度の利用促進に取り組んでいくということですが、改めて、これまでの取組を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、見解をお伺いします。

市長
 成年後見制度の利用促進において、本市では、制度の認知度や理解度が低いという課題を計画策定時の調査結果などから認識しているところです。令和3年度に(仮称)枚方市権利擁護(成年後見)支援センターを設置し、広く制度の周知に向けた普及・啓発活動に取り組むとともに、これまで、専門職、福祉関係機関、行政等がそれぞれに行っていた相談業務について、制度全般の相談窓口を開設します。
 成年後見制度に係る関係機関や関係団体と地域連携ネットワークを構築し、互いに連携、協力して、認め合い支え合う地域づくりのための体制整備に取り組んでいます。

かとう治
 成年後見制度については、ぜひとも関係機関や関係団体と地域連携フットワークを構築していただき、互いに連携、協力して、認め合い、支え合う地域づくりのための体制整備を進めていただきたいです。その上で、さらなる情報発信に取り組んでいただきますようお願いします。
 現状でこの制度自体は、いまだ完璧なものではありませんし、手探りなところが多くあると思いますが、制度利用に当たって、利用者が御自身に合った適切な情報を届けられるよう相談体制もしっかりと行っていただきたいです。(仮称)枚方市権利擁護支援センター開設を機に、より一層体制の充実を図っていただきますよう意見とさせていただきます。

「(仮称)手話でつむぐ住みよいまち枚方市手話言語条例」について

かとう治
 (仮称)手話でつむぐ住みよいまち枚方市手話言語条例を制定されるとのことですが、制定するだけで終わりではなく、条例を実効性のあるものにしていただきたいと思います。その上で、市政運営方針において、手話によるコミュニケーション支援を充実していくとのことですが、現在の状況に対し、今後どのような施策を展開していくのか、見解をお伺いします。

市長
 現在、市役所本庁及び支所の7か所でICTを活用した遠隔手話通訳による窓口対応を実施していますが、令和3年度からは、緊急時における手話通訳にもタブレット端末などを用いた非接触による遠隔手話通訳を実施します。

かとう治
 先ほどの答弁によると、ICTの活用により端末を用いた非接触での遠隔手話通訳を実施するとのことですが、日常生活の中で緊急に必要性が高まるのは一般的に休日や時間外などが多いのではないかと思われるのですが、障害のある方が手話通訳者を必要なときにいつでも利用できるのでしょうか、見解をお伺いします。

市長
 市役所が閉庁している土日、祝日にも開庁日と同様に、ろう者の方がスマートフォンやタブレット端末を利用して、遠隔手話通訳を利用できるよう体制の整備を進めていきます。

かとう治
 (仮称)手話でつむぐ住みよいまち枚方市手話言語条例により、障害がある方にもQOLの充実がなされることは非常によいことだと考えます。今後は、AI技術の発展により24時間対応が可能になるのではないかとも想定されますので、引き続き、将来を見据えて事業を進めていただきたいと考えます。
 また、本条例を制定していくに当たり、障害のある方の目線に立ってニーズを捉え、支援の充実を考えていただきますよう要望いたします。

グループホームの安定運営について

かとう治
 グループホームについて障害者のニーズが高まる中、最近では、民間事業者の事業参入も増えてきていると伺っています。市としては、この間、新規開設にかかる補助金や運営費補助について独自施策を取り組まれていますが、グループホームの現状と課題についてはどのようにお考えなのか、お伺いします。

市長
 グループホームについては、障害者が地域で生活する受皿として重要であると認識しており、議員お示しの施策により民間事業者の参入の増加などで、一定設置数の増加は見られているところです。
 また、課題としては、運営の担い手である世話人の成り手が少ないために、人材確保の面で運営に困難を来していることにあります。

かとう治
 先ほどの答弁では、人材確保の面で運営が困難になっている状況があるとのことですが、今後のグループホームの安定運営に向け、具体的な施策について、本市の見解をお伺いします。

市長
 グループホームの安定運営についての新たな支援策としては、本市が行うグループホーム世話人研修の受講料の一部を補助することや、同研修修了者が市内のグループホームに就職した後、一定期間従事された場合に支援金を給付すること等により、世話人の人材育成及び確保についての支援を行い、グループホームの安定運営を図ります。

かとう治
 障害のある方が、地域で自立して生活をしていくためにグループホームは重要な位置を占め、その安定運営には、サービスの担い手である人材の育成及び確保が欠かせないことがあると考えます。利用者のニーズに応えるべく支援策をしっかりと行っていただくとともに、途中で施設の閉鎖など利用者が振り回されることのないよう、施設の安定運営が継続していけるサポートとして、積極的な取組を進めていただきますよう要望いたします。

「多様な生活・社会の課題解決に取り組むまちづくり」について

多様化する人権課題について

かとう治
 あらゆる差別をなくし、全ての人が尊重されるまちをつくることが、まず根本であると考えます。枚方市は、1993年12月17日に人権尊重都市宣言を市議会本会議で可決されました。人権施策の展開に当たり、様々な人権課題に対応する施策をより効果的に推進することは重要であると認識いたしております。
 民間団体、国・大阪府と連携しながら、今後の総合的な人権施策の展開を行っていくことに期待しておりますが、その上で必要なものとして、全ての人に公平な機会を確保する環境を整備するという視点が必要だと考えますが、今回策定される(仮称)人権施策基本計画にそのようなことが盛り込まれる予定なのか、見解をお伺いします。

市長
 一人一人の人権が尊重されるまちづくりを進めていくに当たり、議員お示しの視点を踏まえることも重要であると考えています。
 今回策定する人権施策基本計画において、多様化、複雑化する人権課題に対応する施策の方向性等について、枚方市人権尊重のまちづくり審議会で十分に審議していただき、市民からの御意見もお聞きした上で取りまとめていく予定であります。

かとう治
 今回の新型コロナウイルス感染症において、感染者や家族などが偏見、差別や誹謗中傷を受けることがないよう、感染症に対する知識や行動について、市民啓発や学校教育での取組を進めていくとのことですが、実際のところどのように進めていくお考えなのか、お伺いします。

市長
 これまでの間、コロナ禍においては、デマ等に惑わされることなく正確な情報を得ていただくこと、また、感染者やその家族、医療従事者等に対して、誹謗中傷や差別することのないよう市民に呼びかけてきたところです。あわせて、学校現場においても、新型コロナウイルスに関する適切な知識を基に、子どもたちに感染症対策等の指導を行ってきました。今後、ワクチン接種の開始等、状況が日々変化していく中、引き続き、適切な情報発信と人権へのさらなる配慮を呼びかけていきます。

かとう治
 人権施策に係る基本計画、またコロナ禍における人権啓発等について御答弁いただきましたが、今後、人権施策の取組においての市長の決意、思いについて、改めてお伺いいたします。

市長
 人権課題の多様化、複雑化が進む中、昨今は、新型コロナウイルス感染症に係る新たな人権課題も発生している状況です。こうした様々な人権課題がある中、あらゆる偏見や差別を許さず、全ての人の人権が尊重されるまちづくりをより一層に進めていくとの強い決意でもって、施策展開してまいります。

ジェンダー平等の実現について

かとう治
 ジェンダー平等の実現について、現状での背景をどのようにお考えなのか。また、配偶者からの暴力に関する相談支援や、子どもたちをDV等の暴力の被害者にも加害者にもさせないために予防教育を実施していくとのことですが、具体的にどのように行っていくのか、お伺いします。

市長
 ジェンダー平等の実現に当たっては、市民が互いに人権を尊重し合い、性別に関わりなく個性と能力が発揮できる社会づくりが重要であり、根強い性別役割分担意識の解消が課題であると考えています。
 DVに関する相談支援については、深刻な児童虐待、DV事案が全国的に発生していることを踏まえ、関係機関との連携を強化するなど体制の充実を図っていきます。
 また、DV等の暴力を根絶するためには、次代を担う子どもたちへの働きかけが大変重要です。男女がともに対等な存在であるという意識の形成や暴力を伴わない人間関係の構築に向け、小・中学生を対象としたDV予防教育プログラムの実施をはじめ、子どもの頃からの啓発に継続的に取り組んでいきます。

かとう治
 性別を理由とする差別や不平等、暴力をなくしていくということはとても重要だと考えます。その上で、まずは市役所からだと思いますが、行政としてどのように取り組んでいくのでしょうか。
 以前に我が会派より、田口議員が未成年の妊娠、出産について取り上げましたが、児童婚などの問題が生じ、学校で十分に教育を受けられないなどのリスクも高まり、結果として格差が生まれることにもなりかねません。こうした課題も含め、具体的に男女共同参画の各課題に対して取組を進めていく必要があると考えますが、市としての見解を求めます。

市長
 市の取組としては、管理職への女性の登用や審議会等委員の女性比率向上、また、育児や介護に係る休暇等について、職員の性別に関わりなく取得しやすい環境整備などについて、取組を進めていきます。
 また、ジェンダー平等を実現していくためには、男女共同参画への理解促進のための啓発や教育、性別による差別に基づく暴力を許さない社会づくり、子育てや介護への支援など、多岐にわたる課題に、関係機関とも連携しながら、全庁的に取り組んでいく必要があります。3月に策定する第3次枚方市男女共同参画計画改訂版の実施計画となるアクションプログラムにおいて、各課題についての具体的な取組を定め、より一層の推進を図っていきます。

かとう治
 ジェンダー平等の実現を行っていくに当たり、非常に幅が広く課題も多いと考えます。それぞれに精神的な問題を抱えている方も多く、より安心して生活していただける環境を整え、丁寧に進めていただかなければならないと考えます。行政として明確な目標を設定し、定期的に検証を重ねていき、ジェンダー平等の実現について進めていただきますようお願い申し上げます。

「脱炭素」社会の実現について

かとう治
 脱炭素社会の実現についてですが、市長は、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ宣言し、その達成を目指した方向性が第3次枚方市環境基本計画に示されております。地球温暖化による気候変動などによる影響を減らし、持続可能な社会を実現するためには、具体的な取組を進めていくことが重要であると考えます。また、地球温暖化対策に取り組み、市域の環境をより良いものにしていくことは、まちの魅力を高め、定住促進につながる土台になると思います。
 そこでまず、本市では、地球温暖化対策としてこれまでどのような考え方で取組を行ってこられたのか、お伺いします。

市長
 地球温暖化防止対策を推進するためには、省エネルギー活動や再生可能エネルギーの積極的な活用など、市民、市民団体、事業者、市が連携、協力して、環境に配慮したライフスタイル、ビジネススタイルの普及を促進し、継続して取り組んでいくことが重要です。
 こうしたことから、まずは市が率先して行動することが重要であり、大型太陽光発電設備枚方ソラパの運用や、新設する公共施設に太陽光発電システムを導入するなど、再生可能エネルギーの利用拡大に取り組むとともに、職員には、ペーパーレス化や省エネルギーなど、エコオフィスを浸透させる取組を推進しています。
 また、市民や事業者には、NPO法人ひらかた環境ネットワーク会議や地球温暖化対策に取り組む市内の事業者と市で構成する枚方市地球温暖化対策協議会と連携、協力し、クールチョイスの啓発など、様々な機会を通して、省エネルギーや再生可能エネルギーの普及促進に向けた啓発活動を行っています。

かとう治
 これまで地球温暖化対策として、市役所としての率先行動や、市民、市民団体、事業者との連携による取組が進められてきたことは分かりました。しかしながら、脱炭素社会の実現に向けては、さらに具体的で効果的な取組が必要だと感じます。
 市長は、今後、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの達成を目指し、施策を具体化するため、次期地球温暖化対策実行計画の策定に取り組むと表明されていますが、この計画において、目指すべき到達点をどこに置こうと考えておられるのか、お伺いします。

市長
 次期地球温暖化対策実行計画は、本市域における温室効果ガスの排出抑制等を図るための施策や温室効果ガス削減目標をお示しするもので、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロを見据え、今後、10年間の取組内容を位置づけていく予定としています。
 計画の具体的な温室効果ガスの削減目標については、今後示される国や大阪府の新たな目標との整合を図り、設定していきたいと考えています。

かとう治
 脱炭素社会の実現に向けて、市として、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの達成といった目標を設定したことについては、一定の評価をいたします。
 また、市長は、市政運営方針の中で、「さらなる市民生活の質の向上をめざすためにスマートシティ化の取り組みを進めます」と表明されておりますが、こうした取組を通して、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの普及促進を進め、さらには、面的にエネルギー管理を行うことで、スマートシティ化と脱炭素化の両面から取組を進めていくことができると考えます。しかしながら、市域における二酸化炭素排出量を実質ゼロにしていくためには、非常に大変な道のりだと考えます。このために、より効果的な施策を構築し取り組んでいかなければなりません。
 具体的な施策については、次期地球温暖化対策実行計画の中に位置づけていくということですが、例えば、東部地域においてバイオマス燃料を活用した発電を行い、市域で利用する、また、新庁舎において地方自治体の本庁舎では全国的にほとんど事例がない、年間の1次エネルギーの消費量をゼロとするZEBを実現し、エネルギー管理の国際規格であるISO50001の取得を目指すといった取組が挙げられると思います。
 また、堺市においては、環境エネルギー課が存在し、専門チームとして業者との関係性を構築し、エネルギー問題に当たっているとのことです。我が市でも専門チームを編成するなど必要ではないかと考えます。脱炭素社会の実現に向けて、効果的な取組を推進し、最先端の環境都市を目指していただきますよう要望いたします。

若者世代空き家活用補助制度について

かとう治
 以前より我が会派からも重ねて訴えてまいりましたが、少子・高齢化による人口減少に伴う空き家、空き地の増加が地域の安全面の不安や公衆衛生、環境への悪影響など多方面にわたり問題となっております。
 このことから、本市においても、平成29年に枚方市空家等対策計画を策定し、空き家対策として市民に向けた各種支援を行っていると伺っていますが、その取組内容について、改めてお伺いします。

市長
 空き家・空き地対策は本市の重要課題と認識しており、空き家の適正管理や利活用の促進に向けた意識啓発、積極的な情報発信に努めてきたところです。
 また、今年度は、新たに空き家を活用した若者世代の定住、転入につながる若者世代空き家活用補助制度の運用を開始するなど、本計画のさらなる推進に取り組んでいるところです。

かとう治
 現行計画の策定以降、様々な取組を行ってきており、それらを踏まえて、さらに効率的、効果的な対策を展開するため、第2次計画の策定に取り組むとのことですが、どのような観点で取り組まれるのか、見解をお伺いいたします。

市長
 第2次計画の策定に当たっては、現行計画の取組内容をさらに推し進めるとともに、枚方市空家等対策協議会の意見を伺いながら、素案作成に取り組んでいきます。
 空き家の未然防止や利活用については、所有者の管理意識の醸成や不動産流通の促進が重要であることから、出前講座などの情報発信に向けて、専門家団体とのさらなる連携強化や、地域特性に応じた支援などの視点を踏まえ取り組みます。

かとう治
 今後、増加傾向にある空き家については、所有者による適正管理に加え、不動産流通の促進が重要であり、その手法として、売買だけでなく、賃貸も視野に入れた取組が必要であると考えます。空き家活用のノウハウなどについて、賃貸に係る専門家団体の御意見も参考にする必要があると思います。
 また以前より、我が会派からも訴えてまいりましたが、大きな2つの不動産の協会だけではなく、そこに属さず独自で全国展開されているような大手の賃貸専門の不動産会社などにも御協力いただいて、お知恵をお借りするなどということも、本気で解決を考えるのであれば必要ではないかと考えます。
 さらに言えば、賃貸不動産経営管理士のような国家資格レベルの専門資格者の団体などに協力を仰ぐなど、あらゆる角度からの解決を具体的に模索していただきますよう要望させていただきます。
 また、現在国において、空家特措法の改正作業が進められていると思いますが、その改正内容が明確になりましたら、必要に応じて第2次計画の改定も行われるよう重ねて要望いたします。空き家・空き地対策は枚方市にとっても重要課題であり、枚方市空家等対策計画のさらなる推進と情報発信に今後も注目しておりますので、実効性のある取組の推進をお願いしておきます。

「行財政改革」について

公立保育所民営化について

かとう治
 本市では、平成16年度に宇山保育所を民営化して以降、この間7か所の公立保育所を民営化してこられました。現在も渚保育所と渚西保育所の民営化に取り組まれるとともに、昨年には、阪保育所と桜丘北保育所を民営化することを表明されました。私たちの会派でも、これまでから行財政改革はスピード感を持って進めるよう申し上げてきましたが、公立保育所の民営化については、着実に進められていると感じております。
 そこで、公立保育所の民営化について、直近で実施された走谷保育所の例では、どれだけの財政効果があったのか。また、民営化後の保護者の満足度はどうであったのか、お伺いします。

市長
 平成31年4月に民営化した走谷保育所の民営化による効果額は、令和元年度決算額ベースで8,950万円となりました。また、民営化後に実施した保護者へのアンケート結果では、84%の保護者から満足との回答をいただきました。

かとう治
 走谷保育所の民営化は、保護者の満足度も高く、民営化後、園舎が建て替えにより新しくなり、子どもたちも保護者も大変喜ばれていると聞いています。来月には、渚保育所が民営化され、また、令和4年4月には渚西保育所が、さらに、令和5年4月には阪保育所と桜丘北保育所が民営化される予定となっています。先ほども申しましたが、公立保育所の民営化が着実に進められていると感じています。
 そこで、さらに今後、公立保育所民営化についてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

市長
 今後の公立保育所民営化については、就学前の教育・保育施設に係るひらかたプランの改定をし、公立幼稚園を含め、幼保一体的な運営による統廃合なども視野に入れながら、公立施設の整理、集約について示していきます。

かとう治
 公立保育所の民営化については様々な意見がありますが、実際に民営化した園の多くの保護者から、民営化後も満足しているとの声をお聞きしていますし、今後の本市の行財政運営を考える上では、引き続き推進していくべき取組であると考えます。
 そして、円滑な民営化を進めていくためには、何よりも丁寧に手続を進めていく必要があります。これからプランの改定に取り組むとのことですが、早期に民営化の計画を示すことで、どこの保育所がいつ民営化になるのかが分かり、保護者の唐突感もなくせると思います。このコロナ禍において、これまでのような対応が難しい場面もあろうかと思いますが、そういったときこそ、丁寧で子どもや保護者に寄り添った形で取組を進めていただきますよう要望いたします。

市立ひらかた病院について

かとう治
 市立ひらかた病院では、新型コロナウイルス感染症に懸命に対応する中であっても、地域連携の強化にも取り組まれてきたことで、今回、念願であった地域医療支援病院の承認が見込まれるところまでこぎ着けたことは大変喜ばしいことだと思っております。
 枚方市内でも、既に2つの認可された病院がある中で、市立ひらかた病院が承認されることは非常に高い壁であると私どもも理解しながら、この間、再三にわたって要望してきたことでありましたが、ひらかた病院の御努力が実を結んだものと、大変感慨深いものがございます。
 この承認によって増収につながるものの、コロナ禍の影響は多分に大きいと、市民福祉委員協議会でも御報告がございましたが、新年度予算においても、新型コロナウイルス対応をどこまで継続しなければならないのか、また、収束が見えたとしても、来院患者の回復や国庫補助金が不透明なため、約3億円の純損失を計上しているとの説明もありました。
 こういった状況であるため、経営改善の取組がもちろん必要となるわけですが、どのようなビジョンで経営改善に取り組んでいかれようとしているのか、お伺いします。

市長
 市立ひらかた病院では、これまでから北河内医療圏唯一の市立病院として、小児・周産期医療や救急医療などの政策的医療を担いつつ、急性期病院として幅広い医療を提供するとともに、地域連携の強化など、中期経営計画に基づいた経営改善の取組を行ってきました。
 今後につきましては、来年度、医療圏における将来的な医療需要を見据えた地域医療構想の議論のほか、コロナ終息後の医療需要や医師の働き方改革など、病院を取り巻く状況の変化を踏まえた新たな経営プランの策定に向けた検討を進めていきます。

かとう治
 市立ひらかた病院では、来年度には新たな経営プランの策定に向けた検討を進めていくということでしたが、コロナ禍の中においても、下肢機能再建センターを7月に開設させるなど不断の努力も行っております。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、昨今では医師、看護師の確保も難しく、思うような収益の向上策につながっていかない側面もあるのではないかとも思います。
 そのような状況にあるにもかかわらず、行財政改革プラン2020において繰入金の削減に取り組むとして、毎年5,000万円減額するとされていますが、今回のコロナ禍にあってもこの削減をプランどおりに行うおつもりか、お伺いします。

市長
 ひらかた病院につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により医業収益が大きく減少していることを踏まえ、令和2年度は一般会計負担金の削減を行わず、令和3年度も当初予算でも同様の措置を行っています。

かとう治
 新型コロナウイルス感染症の発生によって、公立病院の存在意義がクローズアップされたのではないかと感じます。北河内医療圏でも、ひらかた病院のように42床も確保した病院はないのではないかと思っております。
 公立病院はコロナを受け入れた影響で赤字になっても、税金で補填されるのだからと民間病院のコメントが報道されていましたが、ひらかた病院が一般会計から受け取っている負担金は、市として必要な不採算な政策的医療の提供など、総務省が示す基準の範囲内であり、赤字補填をしているわけではないとお伺いしています。
 また、ひらかた病院の職員も過去にはどうかと思うところもあったのかもしれませんが、昨年度もコロナがなければ黒字だったのではないかというところまで経営改善させ、今回のコロナ禍においては、地域のために最前線で奮闘するなど、もはや甘えの構造からは脱却したと言ってもいいのではないでしょうか。
 今、コロナ禍で頑張れば頑張るほど医療職は疲弊し、病院経営も逼迫するといった状況に対して、行財政改革プランに示された繰入金の削減を見送られたということは一定評価しますが、市長は、今回のコロナに限らず、災害対応も見据えて、もっと公立病院を支援すべきだと申し上げておきます。

「終わりに」について

未来輝く枚方の実現について

かとう治
 未来輝く枚方の実現に向けて取組を進める上で、まずは、いかにまちを活性化させていくのかがとても重要となります。少子・高齢化、人口減少といった税収の減少要因が多くある一方で、新型コロナウイルス感染症に対する取組や老朽化するインフラへの対応など、支出については増加する要素が数多く存在します。このようなサイクルから脱却するために、まちが稼ぐことを意識し、成長への好循環を促す必要があると考えます。
 本市では、特に子育て世帯の転入超過を目指してこれまでに取組を進めてこられました。また、観光をはじめ、東部地域の活性化など、どのようにしてまちが稼ぐ力をつけるのかということに取り組んでいることは理解できますが、その点について、全理事者をはじめ、庁内でもしっかりと理解された上で進められているのでしょうか。
 また、市長は、SDGsについても国際社会の一員として取組を進めるとされています。誰一人取り残さない持続的な発展を目指すという基本理念を掲げるSDGsでは、2030年の未来の姿を想像し取組を進める必要があり、このことは本市が目指すまちの魅力向上に向けた好循環やあらゆる施策に通じています。
 そこで、SDGsの理念を大きな本市のビジョンの一環として捉え、市役所が一丸となって、未来輝く枚方の実現をしていくための市長の決意をお伺いします。

市長
 人口減少、少子・高齢化社会にあっても、本市の持続的な成長につながるサイクルを生み出していくためには、未来を見据えた明確なビジョンと、それを実現する大胆な市政改革をやり抜く強い意志が必要であると考えています。
 SDGsの理念は、総合計画に掲げる目指すまちの姿「持続的に発展し、一人ひとりが輝くまち枚方」の実現にもつながるものと考えており、市民や事業者、大学など様々な主体とこのSDGsの理念とゴールを共有し、共に取り組んでいきたいと考えています。
 市役所においても職員が一丸となって、まちの発展に向けて様々な課題解決にチャレンジしていくよう、私自身が先頭に立って進んでいく決意であります。

※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。

こちらから記事のシェアができます
  • URLをコピーしました!
質問内容