令和2年決算特別委員会での質疑
令和元年度大阪府枚方市一般会計歳入歳出決算の認定について
投資的経費の状況について
かとう治
令和元年度の全体的な決算の状況については、これまでの委員の質疑で一定理解ができましたので、私のほうからは投資的経費に絞って何点か質問をしたいと思います。
まず、令和元年度の普通会計ベースの投資的経費は前年度から約6億円増加しておりますが、主な増減要因について、お伺いいたします。
財政課長
令和元年度普通会計決算の投資的経費の主な増減要因でございますけれども、児童発達支援センター整備事業が13億8,400万円の減、また、牧野長尾線整備事業が2億2,500万円の減となりましたけれども、学校施設整備事業が7億6,000万円の増、京阪本線連続立体交差事業が7億2,000万円の増、また私立保育所施設整備補助金が5億1,700万円の増、学校園施設改善事業が4億5,700万円の増となったことなどによりまして、投資的経費全体では6億4,100万円増の130億8,800万円となっております。
かとう治
本年2月に示された長期財政の見通しでは、投資的経費の基本的な考え方として、毎年おおむね70億円程度を基本とし、事業規模が大きい枚方市総合文化芸術センター整備事業や京阪本線連続立体交差事業、枚方市駅周辺地区市街地再開発事業などについては基本の70億円とは別枠とするとされていましたが、令和元年度決算を70億円の枠内と枠外で見た場合、どのような状況になっているのか、お伺いします。
財政課長
令和元年度決算では、70億円の枠外の事業費としましては、枚方市総合文化芸術センター整備事業で10億2,800万円、また、京阪本線連続立体交差事業で29億1,800万円となっておりまして、また、これら以外の投資的経費で91億4,200万円となっております。
かとう治
令和元年度の投資的経費の決算の状況については理解できましたが、枠外を除いた投資的経費が91億円と、基本と伺っている70億円を大きく超える状況となっています。
今後、枚方市駅周辺地区市街地再開発事業などの大規模事業の実施が予定されている中、長期財政の見通しでは投資的経費をどのように見込まれているのか、お伺いいたします。
財政課長
長期財政の見通しでは、作成時点におきまして事業の実施が決定しているものにつきまして投資的経費を見積もっておりまして、そのため、今後の見込みにつきましては、枚方市総合文化芸術センター整備事業の建設工事が終了いたします令和2年度の242億円をピークに、その後は減少傾向となりまして、令和5年度には99億円となりまして、令和11年度以降は70億円程度を見込んでおります。
かとう治
現行の長期財政の見通し上は、枚方市駅周辺地区市街地再開発事業のうち3)街区のみが見込まれている状況で、令和11年度以降に投資的経費が一定落ち着くとのことです。そうした中で、市駅周辺再整備を4)・5)街区まで見込んだ場合は投資的経費がさらに増加し、市債残高も増大するものと考えられます。
また、非常に大きな問題として、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、戦後最悪とも言われているGDPの落ち込みについて、内閣府によると回復するまでに3年から5年かかる見通しとのことです。枚方市においても、市税の減収など収入に影響があるのは確実ではないかと想定されます。
そのため、将来にわたる財政の健全性を維持するために、まずは現状に沿った長期財政の見通しを再度検証することが必要と思われますし、今後の事業実施に際し、施策の優先順位についての位置づけが大変重要になると考えられますので、この点をしっかりと意識した財政運営に取り組むよう意見しておきます。
ペーパーレス会議システムについて
かとう治
令和元年度決算概要説明書の83ページの4.情報システム等管理・運用経費、(2)電子計算機器賃借料のうち、キ.ペーパーレス会議システム64万8,000円についてですが、この経費の内容について、お伺いいたします。
ICT戦略課長
ペーパーレス会議システムは、平成29年度に導入し、令和4年度までの5年間のリース契約を行っており、経費につきましては、システム保守やライセンス費用などを含めた1年間のシステム利用料で、64万8,000円となっております。
かとう治
ペーパーレス会議システムの経費内容については理解しました。
先ほどの答弁の中で、平成29年度から導入されたとのことですが、確認のため、ペーパーレス会議システムを導入した目的について、お伺いします。
ICT戦略課長
ペーパーレス会議システム導入の目的につきましては、会議資料の印刷が不要となるため、紙の使用量抑制による環境面への配慮や、資料の印刷など会議の開催準備にかかる時間を削減するなど、業務効率化を図るために導入したものです。
かとう治
ペーパーレス会議システムは業務効率化を図ることや環境への配慮なども目的として導入されたということですが、令和元年度におけるペーパーレス会議システムの利用状況や、導入して実際にどのような効果があったのか、また、今後の利用促進のための取組についてどのようにお考えなのか、併せてお伺いいたします。
ICT戦略課長
令和元年度中におけるペーパーレス会議システムの利用状況等につきましては、理事者が参加する庁内委員会での利用を原則としており、545の会議、利用率といたしましては約8割となっています。
会議資料等の紙の削減枚数ですが、545の会議の総数で約42万8,000枚となりました。また、システムの利用は庁内委員会以外の会議や研修などでも利用されております。
時間の削減効果といたしましては、紙資料の準備と比べますと、1会議当たり1時間程度の削減効果がございます。また、会議中において、説明資料を参加者全員に共有できることや、枚数にとらわれることなく、説明が伝わりやすい資料作成、多くの参考資料を添付することができるなどの効果があり、会議が進めやすくなることで業務効率化が図られていると考えています。
今後の利用促進のための取組につきましては、無線環境や端末台数が限られており利用できなかったという課題があったため、今年度に庁内無線LAN環境の増設を行い、利用可能なエリアを拡充したほか、課長以上の職員に会議システムの利用が可能な端末機への入替えなど環境の整備を行うことで、ペーパーレス会議システムの利用をさらに促進してまいります。
かとう治
令和2年に開催された環境イベント「エコフォーラム2020」において、伏見市長が2050年二酸化炭素排出量実質ゼロを宣言されました。ペーパーレス会議を追求していくことにより、市民に分かりやすく環境への配慮がなされるとともに、庁舎内業務の効率化を図り、市民サービスの向上にもつながると考えられます。
従来の紙資料では、配付資料が膨大になり過ぎないよう枚数の制限なども考えられていたとお伺いしています。その点についても、ICT化を行うことで、参考となる資料が環境的な負担がなく多く添付できるというのは非常に有用な魅力と思います。
今後、さらにウェブの環境整備を整えていくことで、遠隔地でも会議の開催が行えるウェブシステムの導入やICT化の促進を行っていただきたいです。
既に世界では5Gを通り越え、次世代通信規格6Gについて協議が行われておられますので、その点も視野に入れ、未来へと向けた整備を図っていただきますよう要望しておきます。
止水板設置工事補助金について
かとう治
令和元年度の事務概要50ページに掲載されている(6)止水板設置費補助件数について、当該年度の補助件数及び補助額についての記載がないのですが、当初予算額並びにこの補助金制度の概要について、お伺いします。
危機管理室課長
止水板設置工事補助金の令和元年度当初予算額は、5件の申請を想定し250万円を計上しておりましたが、当該年度では補助金申請がなかったため、決算額は0円になります。
また、止水板設置工事補助金の概要としましては、市民が大雨等による浸水被害を軽減するために止水板等を設置した際、その費用に対して補助金を交付する制度で、補助率は2分の1、補助の上限額は50万円と定めております。
かとう治
枚方市では、台風や集中豪雨によって過去に広範囲にわたる浸水被害が繰り返し発生しており、こうした経過を踏まえて、市民による自衛手段の取組を促進させる目的として止水板設置工事補助金の制度が設立されたものだと伺っております。
近年においても、毎年のように全国各地で大雨による大規模災害が発生しており、大雨に対する市民の危機感が薄れているとは考え難いのですが、今回予算を確保していたにもかかわらず結果として補助金申請が1件もなかったとのことですが、その原因についてどのように分析しているのか、市の考えをお伺いします。
危機管理室課長
令和元年度におきましては、台風の接近時や大雨の注意報、警報が発表された際には市民から土木・上下水道部局に対しまして土のうが欲しいという要請が多く寄せられておりました。このことからも、市民の大雨に対する危機感は高いことがうかがえ、市としましても、止水板設置工事補助金について、市のホームページ等により周知に取り組みました。
そのような中で、止水板等の設置が進んでいない要因といたしましては、補助金の対象としている止水板等の設置にかかる自己負担分の費用が大きいことなども要因の一つではないかと考えております。
今後、市民がより使いやすい制度となるよう、検討を進めてまいります。
かとう治
市民の方々から土木部や上下水道部局に土のうの要請があるということは、危機感についてしっかりと認識があるということです。
台風であれば、気象予報により事前に準備などは行えますが、昨今では局所的集中豪雨など新たな問題が生じております。例えば、集中豪雨のさなかに多くの市民の方から土のうの要請があっても、全ての要望に応えられるかどうかも分かりません。改めて、地域13か所に設置されている土のうステーションの活用についても検証が必要ではないかと思われます。
市民の方々が自ら浸水被害に対する意識を整えていくことができる当該制度は、市民の防災意識を高める効果も併せて期待ができるものであり有効活用されるべきですが、残念ながら活用されていないのが実態ではないでしょうか。担当課として、本当にこの周知の方法が正しかったのか、また、この補助金の在り方について本気になって再検討したのか、その辺りの努力の跡が残念ながら見えてきません。その上、活用されていない制度について今年度においても予算を計上していることに疑問を感じますが、平成26年の制度設立以降より年数が経過してきたことも踏まえ、より市民が利用しやすいという目線を持って制度についてしっかりと見直していくなど、前向きな検討をしていただきますよう要望いたします。
国際交流事業補助金について
かとう治
決算概要説明書75ページに、国際交流事業補助金として決算額1,542万1,103円と記載されています。
この補助金については、公益財団法人枚方市文化国際財団に対して交付がなされているものだと思いますが、どのような用途に使用されているものなのか、お伺いします。
文化生涯学習課長
国際交流事業補助金は、海外諸都市との友好交流や、市民と在住外国人との交流を促進する事業を実施していくことを目的といたしまして、公益財団法人枚方市文化国際財団に交付しているものでございます。
令和元年度に国際交流事業補助金において実施した国際交流事業といたしましては、中国・上海市長寧区への市民訪問団の派遣、オーストラリア・ローガン市への中学生友好交流訪問団の派遣など、海外友好都市3都市との交流事業を実施するとともに、イタリア語、ベトナム語などの語学講座、国際理解推進事業といたしまして韓国家庭料理教室や講演会などを実施してまいりました。
また、諸外国の子どもたちの絵画を鑑賞できる国際こども絵画展や、市民と在住外国人が交流し多文化に触れるひらかた多文化フェスティバルなど、国際交流に関する様々な事業を実施してまいりました。
かとう治
国際交流事業補助金の用途として、市民の国際交流活動の支援及び促進事業や海外友好都市との交流事業など市民の国際交流活動の支援等に使用されたことについては一定理解いたしました。
それでは、市内に在住されている外国人の方への支援として、令和元年度にはどのような事業を実施されたのか、お伺いします。
文化生涯学習課長
在住外国人の皆様に対して実施した事業といたしましては、日本語を話す機会の少ない在住外国人との相互理解を目指して日本語の指導を行っている枚方市日本語ボランティアの会に対しまして、場所の提供などの支援を行いました。
また、初めての取組といたしまして、北大阪商工会議所や公益財団法人大阪府国際交流財団と共催いたしまして、外国人のための一日相談会を実施してまいりました。
かとう治
在日外国人の方々にも新しい機会を創出してくれていることはよく分かりました。
そもそも、育ってきた環境が異なるためにアイデンティティーや文化に違いが生じることは想定されますが、相互理解を深めるためにも触れ合える機会を創出することがとても重要だと考えます。
国際交流事業補助金を活用して、在住外国人への支援をはじめ、国際交流に関する様々な事業を実施されたことについて理解できましたが、この補助金を使って事業を実施してきた枚方市文化国際財団は今年度いっぱいで廃止されることとなっています。今後は枚方市が国際交流事業を担っていくということですが、サービスの質が低下することのないようにお願いします。
また、財団解散に伴う残余財産についてですが、枚方市文化国際財団が担ってきた国際交流や文化芸術に対する事業費として役立てていくことを要望いたします。
文化芸術創造拠点形成事業経費について(オーケストラ鑑賞事業)
かとう治
文化芸術創造拠点形成事業経費についてですが、決算概要説明書88ページに、文化芸術創造拠点形成事業経費の(5)オーケストラ鑑賞事業として決算額349万4,248円とあります。
このオーケストラ鑑賞事業の実施内容について、お伺いします。
文化生涯学習課長
オーケストラ鑑賞事業は、市立中学校に在学する1年生を対象に、本市と連携協定を締結いたしました大阪フィルハーモニー交響楽団のオーケストラ鑑賞会を令和元年9月5日に市内大学の講堂をお借りして開催したものです。
開催日当日は、市内中学校11校、約1,900人の生徒に対してモーツァルトやドヴォルザークの名曲演奏のほか、オーケストラ楽器の紹介説明も行われました。
鑑賞後に実施いたしましたアンケート結果では、本日の鑑賞会はいかがでしたかという問いに対しまして、89.2%の生徒から大変よかったまたはよかったとの回答をいただきました。また、オーケストラ鑑賞会について、ぜひまた聞きに行きたいまたは機会があれば聞きたいと答えた生徒は87.2%に上りました。
かとう治
事業内容については一定理解いたしましたが、この事業を大学の講堂をお借りして実施したと答弁されましたが、決算概要説明書88ページの(5)オーケストラ鑑賞事業費の内訳で使用料91万8円とありますが、この中に講堂の使用料は含まれているのでしょうか。また、この使用料はどのような用途に使われたのか、併せてお伺いいたします。
文化生涯学習課長
オーケストラ鑑賞事業における使用料91万8円の使用用途内訳につきましては、会場使用料18万2,736円のほかに、楽団員のバス使用料13万5,972円、中学校4校と会場を往復するバスの使用料59万1,300円となっております。
かとう治
オーケストラ鑑賞事業における内訳について理解いたしました。
大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏を鑑賞する機会を子どもたちに提供することはとてもすばらしい事業だと考えますが、この事業を今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
文化生涯学習課長
オーケストラ鑑賞事業につきましては、枚方市文化芸術振興計画に基づき、次世代を担う子どもたちが感受性豊かな時期に優れた文化芸術に触れることで文化芸術への関心を高め、豊かな感性や創造性を育むことを目的に実施するものです。
そうした観点から、来年度以降につきましても、現在整備中の総合文化芸術センターにおいて全市立中学校の1年生を対象に継続して実施していきたいと考えております。
かとう治
総合文化芸術センターにおいて、全市立中学校の1年生を対象に実施していくとの答弁をいただきました。
家庭環境によりクラシック音楽に触れる機会も様々だと思いますが、次世代を担う子どもたちが関西を代表するオーケストラである大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏を誰一人取り残すことがなく学校教育の中で鑑賞できるということは、近隣市では行っていない、とてもよい事業であると思います。本格的なクラシック音楽に触れることにより、睡眠の質がよくなり精神状況が安定するなど、音楽との機会を創出することは成長期の子どもたちにとても適しているとのことです。
先ほどの答弁より、バスの往復使用料が計上されておりましたが、中学校と鑑賞会場を往復するバスについて、全中学校1年生の生徒が対象となりますとバスの台数や道路状況などについて非常に大変ではないかと思われますが、その点についてもしっかりと事業計画を定めて、総合文化芸術センターにおいて鑑賞会を実施できますよう、また、そのためにも担当部署と教育委員会、学校がしっかりと連携を取り、横串となって事業に取り組んでいただきますよう要望しておきます。
選挙公報発行経費について
かとう治
決算概要説明書101ページの市長選挙費のうち、選挙公報発行経費に選挙公報配布委託料516万2,400円と表記されていますが、契約するに当たり委託業者の選定をどのようにされていたのか、また、契約内容の履行の確認方法についても、併せてお伺いします。
選挙管理委員会事務局次長
選挙公報配布委託につきましては、選挙公報を市内全域の各世帯に配布する業務を委託しており、業者選定に当たっては、指名競争入札により実施しております。
落札者決定後、業務着手前には受注者と仕様内容の確認など打合せを行うとともに、町名ごとに配布予定日を示した配布計画書を提出させております。また、配布期間中には、毎朝、前日の配布状況の報告を求め、進捗確認を行っており、業務完了後には配布完了報告を受け、履行確認を行っております。
なお、万が一、市民の方から配布漏れの連絡があった場合につきましては、すぐに対応できるよう指示しており、適宜、受注者と連絡を取り合い、配布漏れがないよう努めているところでございます。
かとう治
選挙公報配布委託についてですが、指名競争入札を行っていたとの答弁をいただきました。また、配布漏れなどに対して適宜対応もなされていたとのことです。
今回の決算特別委員会にて質問を行わせていただいた経緯ですが、一部地域において選挙公報が配布されなかったとの報告を受けていた次第です。
クレームについて伺ったところ、配布時には市民の方から特に指摘を受けることが少なかったと聞いておりますが、そもそも市民の方々には選挙公報はいつどのように配布されるかなど事前の告知もないことにより、選挙期間中に配布漏れだと気づくことは少ないのではないかと推測されます。
入札で選定された事業所の報告のみが確認する手段であると答弁をいただきましたが、しっかりとした実績などノウハウがある業者でなければ、そもそも広報物の配布におけるエビデンスが取れないのではないかと思われます。
そこで提案ですが、3年間の委託契約を結んでおり、実績を重ねている『広報ひらかた』の委託業者と選挙公報の配布委託をセットにするなど、新たな方法を模索してみてはいかがでしょうか。
公費を使用するということは、事業に対する無駄やミスを徹底的になくしていかなければならないと考えます。そのためにも、常に検証を行い、改善すべきところを徹底的に洗い出し、過去に『広報ひらかた』で起こったような契約不履行を起こさせないよう、市民の期待を裏切らない結果へと進めていただくことを強く要望させていただきます。
図書館オンラインシステム運営経費について
かとう治
決算概要説明書203ページの11.図書館オンラインシステム運営経費3,176万6,093円とありますが、この経費について、内訳と内容をお伺いいたします。
中央図書館副館長
この経費の内訳は、(1)図書館情報管理経費に1,181万4,936円、(2)学校図書館オンライン経費に561万2,213円、(3)図書館コンピューターシステム更新事業費に1,433万8,944円となっております。
内容につきましては、市立図書館の貸出返却、インターネットからの検索、予約等のシステムやサーバー、端末等を維持するため、それから学校図書館のシステムや端末等を維持するための経費でございます。
かとう治
コンピューターやスマートフォン、インターネットの普及は既にスタンダードな状況ですので、自宅や出先などから図書館へのアクセスは相当な数になっているのではないかと思います。
インターネット経由での予約を行っているとのことですが、令和元年度の予約数について、お伺いします。
また、コロナ禍において、今年3月の図書館について、予約した図書の受渡しのみになっていたと思いますが、その時点での予約受付の状況はどうであったのか、併せてお伺いいたします。
中央図書館副館長
令和元年度の予約数につきましては、約78万3,000件で、そのうちインターネットからの予約数は約52万6,000件となっており、約7割の方がインターネットからの予約となっております。
次に、予約の受渡しのみのサービスとなった3月の状況につきましては、前年度が約6万件のところ、約9万件と約1.5倍となりました。
かとう治
インターネット予約が前年度に比べおよそ1.5倍になったとのことですが、利用している方々からは、図書の予約以外にも借りている図書の延長や予約した図書の確認、取消しなど、様々なことで利用されているとお伺いしています。特殊な事情でありますが、コロナ禍での3月の利用状況などを見ていますと、よりICTを活用していくことで図書館の可能性に広がりがあるのではないかと考えます。
これまでの一般質問においても、電子書籍やWi-Fiなどの活用について活発な質疑が見受けられましたが、今後は利用者登録の受付もインターネット上でできるようにするなど、利便性を追求した開発の余地もあるのではないかと思われます。
また、市内の小・中学校では、GIGAスクール構想により子どもたちにタブレットの配付が決定しました。今後は、配付されるタブレットからも図書に関する活用ができるように、教育委員会や学校とも連携していただき、子どもたちがより図書館を身近に感じられ、一層本に親しむために、環境を整えてくださいますよう要望とさせていただきます。
民生委員活動費負担金について
かとう治
決算概要説明書106ページの民生委員活動費負担金について、お伺いします。
民生委員・児童委員の皆様は、住民の立場に立って相談、援助を行い、社会福祉の増進に努める役割を担っておられ、その活動に係る負担金の令和元年度決算として3,632万9,000円の支出がありましたが、この負担金の内訳について、お伺いします。
健康福祉総務課長
民生委員活動費負担金の内訳につきましては、地域福祉の担い手として日々地域で活動いただいております民生委員の方々に対する通信費や交通費など、活動に係る負担金として、民生委員1人当たり月額6,255円、年額7万5,060円を支給するとともに、会長には別途活動費として年額5万円を支給しております。
この民生委員1人当たり年額7万5,060円の活動費の内訳ですが、国から地方交付税として措置される年額5万9,000円に本市独自で年額1万6,060円を加えて支給しております。
令和元年度におきましては、3年に1度の民生委員・児童委員の一斉改選が12月1日に行われ、委員の入れ替わりもございましたので、延べ627人の民生委員の方々に活動費負担金を支給いたしました。
かとう治
民生委員活動費負担金は、本市独自で民生委員1人当たり年額1万6,060円を加えて支給しているとのことですが、この独自支給分の基準はあるのでしょうか。また、他市と比べ適正な額であるのか、お伺いします。
健康福祉総務課長
民生委員活動費負担金における本市独自の支給分の基準につきましては、正確な時期や金額の推移等を示す当時の文書が保存されておりませんので支給額の基準は不明ですが、昭和30年代から市独自の支給を開始しております。
現在の市独自の支給額につきましては、平成26年度の中核市への移行時に他市状況の調査を行っており、府内の中核市と比較して同程度の額でありますが、枚方市民生委員児童委員協議会とも協議しながら支給基準の整理を行ってまいりたいと考えております。
かとう治
近年では、社会を取り巻く環境が大きく変化しており、地域での課題も多様化しています。そのために相談などの件数も増えており、民生委員や児童委員にかかる負担が非常に大きくなっております。
本年では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、様々な問題が多く生じたとのことです。感染防止のために接触することができないなど、見守り活動を行っていくに当たり電話やメール、ファクスを利用するなど、今までになかった対応を一生懸命に模索し、対応を行ってきたと伺っております。
今後も民生委員の皆様には見守りや行政機関との橋渡し役として一層期待されているところですが、令和2年度より、その活動に係る活動費負担金の算定基礎である地方交付税の活動費単価が1,200円増額され、6万200円に変更されています。こうした地方交付税措置の拡充も踏まえた上で、民生委員活動における経済的負担も考慮していただき、民生委員活動費負担金の増額なども検討いただきますよう要望いたします。
就労移行支援事業経費について
かとう治
決算概要説明書115ページに、19.就労移行支援事業経費として2億7,503万1,817円が記載されていますが、この経費に対する国・府・市それぞれの負担割合はどのようになっているのか。また、就労移行支援事業の事業概要と令和元年度の利用実績について、お伺いいたします。
地域健康福祉室課長(障害福祉担当)
就労移行支援事業は障害者総合支援法に基づいて実施されているサービスで、経費の負担割合は、国が2分の1、大阪府と本市が4分の1ずつとなっております。
事業概要につきましては、一般就労を希望されている障害のある方が通所しながら、就労に必要な知識や能力向上のための訓練、求職活動に関する支援などが受けられ、また、就職した後も半年間、職場定着のための支援が受けられる内容となっております。
令和元年度の利用実績については、年度末現在で170人が支給決定を受けており、年間の延べ利用日数は2万8,911日となっております。
かとう治
障害のある方の就職者数については、障害者雇用促進法の改正、法定雇用率の引上げに伴い、近年雇用については増加傾向が続いていますが、問題なのは、離職率が一般の方と比べるとかなり高くなっていることです。障害のある方が働きながら自立した生活を続けていくためには、職場内のことだけでなく、就労開始に伴う生活面の支援も必要と考えますが、職場定着の課題解決に向けた支援について、昨年度の取組状況について、お伺いします。
地域健康福祉室課長(障害福祉担当)
委員お示しのとおり、障害のある方については、職場での人間関係や雰囲気などの問題に加え、一般就労を開始したことに伴う生活面の支援も必要となっており、一般の方と比べると離職率がかなり高くなっていることが課題とされていることから、障害者総合支援法の新たなサービスとして、平成30年度から就労定着支援事業がスタートし、昨年度もこのサービスの利用希望者に対しサービスの支給決定を行いました。
また、昨年度末時点で、市内で9か所の事業所がこのサービス事業所として指定されております。
かとう治
障害のある方の職場への定着を支援するため、平成30年度より就労定着支援事業が開始され、昨年度には市内でも9か所の事業所が指定されておられるとのことですが、この事業の概要について、お伺いします。
地域健康福祉室課長(障害福祉担当)
この事業は、就労移行支援事業などを利用して一般就労された後6か月を経過した障害のある方に対して、企業や自宅などへの訪問や来所による相談を通じて、生活リズムや体調管理、金銭管理など就労に伴い生じている生活面の課題を把握し、企業担当者や医療機関などと連絡を取りながら課題解決に向け指導、助言などの必要な支援を行うもので、最大3年間支援を受けることができる内容となっております。
かとう治
障害を持つ方の就労を支援していくためにこの制度が執り行われているとのことですが、現状では、就労の中でも定着していくことが大きな課題となっております。
就労定着支援制度は平成30年度より始まり、就労移行支援事業での半年間に継続して、さらに3年間の支援が行われるとの答弁をいただきました。
障害を持つ方はもちろん、取り巻く環境におられる家族の方々も、とても多くの問題や悩みを抱えておられます。障害を持つ方の御両親としては、御自身の高齢化を悩み、障害を持つ子どもがしっかりと就労に定着し安定した生活を送ってほしい、例えるなら、グループホームでの生活と企業での就労並びに就労支援施設の併用を、違和感なく生活の一部として継続できることなどが未来への安心につながるとおっしゃっておられました。障害を持つ方が継続して自立した生活を行っていくことが、家族の方々にとって大きな望みであります。
日本では、フランスがモデルと呼ばれる企業に受入れを要請するスタイルでありますが、今後の枚方市は、障害者支援のまちとしてより進化した方法を考えていただきたいです。
例えば、親と障害を持つ子どもが同じ職場で就労できる環境を整えるなどの支援を行い、その結果、親がいることで障害を持つ方の不安を取り除き、かつ親も安心して見守りながら就労ができる。そうすることで双方ともに精神的な安定が生まれ、より一層定着支援につながると考えられます。
市として、企業に対し、一定期間において親の就労について一部助成するなど、現在行っている施策の検証を続けながら、就労定着支援として具体的な方法を加えていただきますよう要望します。
消費生活セミナーについて
かとう治
事務概要379ページ、消費生活セミナー開催状況について、お伺いします。
市民等の消費者問題に対する知識を向上させ、消費者一人一人が適切に対応していただくことを目的に実施した各種消費者啓発事業が記載されていますが、令和元年度の具体的な事業名とそれぞれに要した経費について、お伺いします。
消費生活センター所長
各種啓発事業の内容としましては、消費生活セミナー、消費者教育講演会、学校講演会、消費生活相談員出前講座の4つでございます。
決算額につきましては、消費生活セミナーで保育協力者謝金1万5,000円、保育事務手数料6,000円の計2万1,000円、消費者教育講演会で講師謝金37万円、手話通訳者謝金8,040円の計37万8,040円、学校講演会で講師謝金75万円でございます。
消費生活相談員出前講座につきましては、支出はございません。
かとう治
それでは、各種啓発事業の中の学校講演会について、お伺いします。
今後、ICT教育の取組が進む中、スマートフォンをはじめ、インターネットに関する知識を児童に理解してもらうために実施されている学校講演会は大変重要な機会であると考えていますが、令和元年度の実施内容について、お伺いします。
また、事務概要によれば、令和元年度は14の小学校で実施されたとのことですが、どのようなサイクルで枚方市内45小学校に実施されているのか、お伺いします。
消費生活センター所長
学校講演会は、児童に正しいインターネットの知識と仕組みを学んでもらうことでネットによる被害防止を目的に実施しており、昨年度は委員がおっしゃられたとおり小学校14校及び新入教職員向け研修を1回、計15回を実施し、受講者総数は4,387人でございます。
要した経費につきましては、1回当たりの講師謝金が5万円で、その15回分、計75万円でございます。
小学校の実施サイクルについてですが、本事業は国の補助金を活用して実施しており、予算の関係上、年に15校程度、3年で45校全ての小学校に受講していただけるよう調整した上で取り組んでいるところでございます。
かとう治
GIGAスクール構想において、今年度中に市内の小・中学校にタブレットを配付することとなりました。昨日、私の息子にも配付されましたが、タブレットが普及していく中で、私はもとより、地域の保護者からは、いじめや犯罪に我が子が巻き込まれないだろうかという不安の声を多く聞いております。インターネットに関する問題は日々悪質化、多様化しており、現在に至っても被害が拡大しているようです。
だからこそ、消費生活セミナーの学校講演会は、今後ICTを活用していく子どもたちにとって重要であり、早急に小学校45校全ての生徒に注意喚起を行うべきではないでしょうか。
そこで提案ですが、枚方市では令和3年3月末をもってWi-Fi環境が全校に整うと伺っています。また、Wi-Fi環境の増設工事により全校生徒が同時に使用しても問題ないとのことです。ICT教育を担っていく中で、タブレットや黒板前のスクリーンを利用し、学校講演会をリモートで行ってみてはいかがでしょうか。
これまでは小学校45校に対し年に15校ずつ講演し、全校を終えるのに3年をかけていましたが、ICT環境を活用することにより45校に対して同時に行うことができ、さらに講演の回数が減らせることにより講師料が削減できますし、低学年と高学年で分けるなど工夫ができ、さらに言うなら、中学生にも行えます。また、新しい生活様式を踏まえて、わざわざ体育館に全校生徒を集めなくても、ふだんの教室にて講演を行うことができます。
今申し上げたみたいに、ICTを使った取組がいろいろ考えられると思いますので、消費生活センターだけで考えるのではなく、ぜひ教育委員会ともタッグを組んで頑張っていただきたいと要望いたします。
令和元年度大阪府枚方市下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について
地域介護予防活動支援事業経費について
かとう治
介護保険特別会計より、決算概要説明書247ページ、2.総合事業費、(3)地域介護予防活動支援事業627万4,529円について、お伺いします。
地域介護予防活動支援事業については、地域における自主的な介護予防活動を実践する人材の育成や支援を図るための事業だと認識していますが、令和元年度に具体的にどのような取組を行ったのか、お伺いします。
また、当該事業は平成29年度に開始されたと聞いていますが、平成29年度と平成30年度の決算額も併せてお伺いします。
地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当)
令和元年度における地域介護予防活動支援事業の内容につきましては、大きく3つの事業がございます。
1つ目が、定期的にひらかた元気くらわんか体操を実践する自主グループの活動を支援する、ひらかた元気くらわんか体操活動支援事業、2つ目が、自身の知識や経験を生かし介護施設等でボランティア活動を行うサポーターの養成及びその支援を行う、介護予防ポイント事業、3つ目が、枚方市社会福祉協議会と協力し、いきいきサロンで介護予防プログラムを行うサポーターを養成する、いきいきサロン健康づくりサポーター養成講座となります。
平成29年度の決算額につきましては951万4,975円、平成30年度の決算額は763万128円となっております。
かとう治
この事業は自主的な介護予防活動を実践する人への支援であり、また、実践者や実践グループの増加を目指していくものと認識しており、年々活性化していくべき事業であると思われます。
お金をかけることがいいというわけではないのですが、決算額の推移だけを見てみますと減少しているようですが、その理由について、お伺いします。
地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当)
この間、決算額が減少している主な理由としましては、平成29年度と平成30年度の2か年にわたり実施していました元気くらわんか体操の効果検証に係る事業が終了したこと、また、事業を実施していく中で直営として実施していくほうが効果的だと判断した講座につきましては、業務委託を見直してきたことなどが挙げられます。
令和元年度につきましては、2月以降に予定していました講座や体力測定会などを新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止したことが挙げられます。
かとう治
次に、地域介護予防活動支援事業のうち、ひらかた元気くらわんか体操活動支援事業について、お伺いします。
市では、自主的な介護予防事業を促進するためのツールの一つとして、ひらかた元気くらわんか体操の普及を図っており、定期的にひらかた元気くらわんか体操を実践するグループ活動を支援していくとのことですが、この事業に係る経費と内容及びその実績について、お伺いします。
地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当)
ひらかた元気くらわんか体操活動支援に係る経費につきましては、委託料としまして65万6,125円を支出しております。
委託内容としましては、この体操を用いた介護予防活動を実践するグループへの支援としてのスタート支援講座の実施、また、そのグループのリーダーとして活躍する方を対象とした普及リーダー養成講座及び介護施設等においても体操を実施していただけるよう、施設のスタッフを対象としました事業者スタッフ向け講習会の実施となっております。
それぞれの実績としましては、スタート支援講座が10回の開催で358名、普及リーダー養成講座につきましては2回の開催で144名、事業者スタッフ向け講習会につきましては1回開催し20名の参加となっております。
かとう治
地域の住民が自主的に介護予防活動を実施するためのグループへの支援として講座を開催しているとのことですが、各グループにおける活動は継続してこそ介護予防につながっていくものだと考えます。
そのために、令和元年度はどのような取組を行ったのか、お伺いします。
地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当)
グループを支援するためのスタート支援講座につきましては、体操の効果を伝え、開始時に体力測定を実施するとともに、半年後に再度体力測定を実施することで活動の効果の見える化を図っております。
さらに、地域リハビリテーション活動支援事業費に係る別の事業とはなりますが、ひらかた元気くらわんか体操継続支援事業として、スタート支援講座修了後のグループに対し、約半年ごとに体力測定を行い、リハビリテーション専門職の下、体の状態の確認を行うことでモチベーションの維持を図り、グループ活動が継続できるよう支援を行いました。
かとう治
私の体験ですが、元気に生活をされていた方が長期の入院やけがをきっかけに短期間で寝たきりのような状態となってしまった、また、コロナ禍での活動自粛であっという間に筋肉が低下しヘルパーに依頼しなければ自立した生活が難しくなってしまったという方々も見てきました。
コロナ禍の状況では、リスクのある高齢者はとても活動がしづらい状況にあります。外出を控えることを続けていくうちに、いつの間にか引き籠もることになり、その結果、自然と地域からも孤立してしまうなど、身体的、精神的に負のスパイラルへと進んでいくことが見受けられます。このような状況だからこそ、徹底した感染症対策をしっかりと行った上で、高齢者が外出する機会を促し、地域のつながりを深め、介護予防へとつながる体制を整えることが重要と考えます。
介護予防活動の支援を継続していくために、市や地域包括支援センターと各グループとの相談が定期的に行えるように整え、情報の提供を切れ目なく行い、ひらかた元気くらわんか体操のツールだけではなく、例えば、障害がある方でも車椅子で参加ができる、フィンランド発祥の競技であるモルックや、高齢者にいまだに人気が高いウオーキング、ゴルフ、ヨガ、ストレッチなど、リスクは少なくても運動になる多様なツールを用意していただき、参加者を飽きさせることなく、楽しむことによって寝たきりにならないための習慣へと結びつけていただきたい。
また、もう一つの課題ですが、ふだんより自治会やコミュニティーなどに参加されていない方々に機会を与えるため、ICTを活用するなど、自宅にいてもリモート参加ができるような仕組みも考えていただき、参加者の拡大へとつなげてほしいです。
そうすることで各グループの意識が高まり、結果として、介護予防を実践している参加グループが増えすぎて経費が足りないといった状態となるほど介護予防について取組を推進していただきたいと要望いたします。
認知症総合支援事業費について
かとう治
決算概要説明書247ページ、認知症総合支援事業費763万6,356円について、お伺いします。
高齢化が進んでいく上で、認知症は誰にでも起こり得るものだと思っております。
本市でも認知症に関する支援はとても重要であると認識しており、まずは令和元年度決算の認知症総合支援事業費の内訳について、お伺いします。
地域健康福祉室課長(健康福祉総合相談担当)
認知症総合支援事業費の内訳につきましては、認知症初期集中支援事業委託料に約110万円、認知症地域支援推進員包括事業委託料に約577万円、認知症ケアパスの印刷製本費の約60万円が主なものとなります。
かとう治
認知症総合支援事業費は、主に委託料と印刷製本費であるということですが、まず、委託料の事業内容とこれまでの経緯について、お伺いします。
地域健康福祉室課長(健康福祉総合相談担当)
認知症総合支援事業は、平成27年1月に厚生労働省が策定した新オレンジプランに基づき、認知症施策の取組を進めています。
認知症初期集中支援事業は、オレンジ初期集中支援チームとして、市内2か所の医療機関にて平成27年12月から実施しており、事業内容としましては、認知症の初期の段階で、医療と介護専門職で構成しているチーム員が認知症の疑われる人や家族に対して個別の訪問を行い、その人らしい地域での暮らしが継続できるように支援するもので、令和元年度の発動件数は4件でした。
また、認知症地域支援推進員は、平成29年度より各地域包括支援センターに配置しており、社会資源の情報集約や、認知症の人やその家族を支援する相談業務を行い、地域の支援機関とつなぐネットワークの構築を行っております。
委託料は、それぞれの運営費用や活動に応じた報酬等となっています。
かとう治
次に、認知症ケアパスとはどういった内容の冊子なのか。また、どこに行けばこの冊子が置いてあるのかをお伺いします。
地域健康福祉室課長(健康福祉総合相談担当)
認知症ケアパスは、認知症と疑われる症状が発生した場合に、いつ、どこで、どのような支援を受ければよいのか、認知症の状態に応じた適切な介護サービスや医療提供の流れなどを示したガイドブックとなっています。認知症を早期に発見し早期治療につながる契機とするとともに、認知症の早期発見、早期治療の必要性を普及啓発する内容となっています。内容は毎年更新しており、令和元年度は1万部を作成しました。
認知症ケアパスは市役所及び各支所や各地域包括支援センター、市民サービスセンターや各生涯学習市民センター、保健所、図書館などの窓口に設置しており、医師会、歯科医師会、薬剤師会、地域の認知症カフェ運営団体等にも配付依頼をしております。認知症サポーター養成講座でも配付しており、市民の皆さんが手に取っていただけるよう努めております。
かとう治
認知症の症状は徐々に変化していくものであり、初期の段階では身近な家族は特に気づきにくい面もあると思います。
そこで、認知症総合支援事業では、枚方市や地域包括支援センターが支援を必要とする方の状況把握や認知症の方が利用することのできる地域の情報をどのように得て共有しておられるのかをお伺いします。
地域健康福祉室課長(健康福祉総合相談担当)
本市の健康福祉総合相談担当では、本人や家族、地域の方から様々な相談が寄せられており、認知症の疑いや何らかの支援が必要と判断した場合は各担当圏域の地域包括支援センターへ情報提供しています。また、地域包括支援センターへ相談に行かれた場合には、健康福祉総合相談担当に情報が届くシステムを構築しており、本市と地域包括支援センターは常に情報を共有しています。
地域の社会資源は、地域包括支援センターが積極的に地域に出向くことにより、医療、福祉、介護等の各関係機関や民生委員等の地域団体とネットワークを構築する中で情報を収集し、市と共有を行っております。
かとう治
認知症という病気は、御本人はもとより、取り巻く環境におられる家族の方にもとても大きな影響を及ぼす病気です。進行は緩やかであり、気づいたときには病状が進んでいるケースが本当に多くあります。
また、長年ともに暮らしてきた家族は、このような病状を受け止めることに精神的なダメージを強く強いられるものであります。そのために、家族が病状を認めないということや、認知症患者の外出の機会を奪う、近隣にその事実を隠す、また虐待を行うなどという行為も問題視されています。
認知症は初期の段階で治療や支援を行うことが最も重要であり、そのためにも地域における認知症に対する正しい理解の普及が必要であり、それとともに支援を行うネットワークの構築が求められています。
関係機関や地域団体との連携の下、多くの方々が認知症を理解し、地域で包括的に受け入れていけるように、以前にも要望させていただきましたが、オレンジリング受講者に新たなる支援の協力をお願いしていく、また、認知症の社会参加を市が率先して行えるように、例えば「注文をまちがえる料理店」など、具体的な対策を行っていただき、認知症高齢者やその家族が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう進めていただきますよう要望させていただきます。
※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。