令和2年予算特別委員会での質疑(2020/03/16)

質問内容

窓口関連業務等最適化検討支援業務委託料について

かとう治
 予算説明書127ページの窓口関連業務等最適化検討支援業務委託料について、お伺いいたします。
 この窓口関連業務等最適化検討支援業務は漢字で長々と書かれていて、何のために、誰が何をしようとしているものなのか、字面からはなかなかわかりにくいと思っております。本件については、先日、事業者を選定するための審議会を設置する議案が可決となったところでございますが、まず、取り組みの趣旨について、確認の意味も含めてお伺いいたします。

行革推進課長
 この取り組みにつきましては、令和元年5月に策定いたしました窓口業務等のアウトソーシングに係る考え方に基づき、検討対象とする窓口関連業務につきまして、業務工程の省略化やICT導入による事務処理の軽減、複数部署に共通する工程の集約化などを含め、委託、直営、ICTの最適な体制について調査するために、専門性、ノウハウを有する事業者をプロポーザル方式で選定し、委託しようとするものであります。

かとう治
 組織の壁を越えて複数部署に共通する工程を集約化するということについては、市民のワンストップ窓口についてもそうですが、市民目線、ターゲット目線での取り組みと効率的な業務執行に資するものとして、ぜひ積極的に進めていただきたいところです。
 一方で、疑問として残るのは、こういったいわゆる庁内の業務改善に向けた調査であるにもかかわらず、なぜ事業者に委託し調査支援を得る必要があったのかという点でございます。逆に言うと、直営での調査が難しいということなのかという印象を受けます。それがなぜなのかと推しはかるに、例えば、各現場が通常業務でいっぱいで、こうした検討をする余力がないとか、組織の縦割り意識があって部局横断的な検討が行いがたいといった状況もあるのかと思っております。その点について、いかがお考えでしょうか。

行革推進課長
 今回の検討に当たりましては、外部からの視点も踏まえまして、窓口全体を俯瞰することで、共通する業務や工程等の集約化、ICTの導入などについて、どういった手法や体制が最適であるのかを見きわめるため、他市等における実績や、専門性、ノウハウを有する事業者に委託し、関連部署の協力も得ながら調査を進めるものでございます。以降におきましても、こうした取り組みによる調査結果を踏まえ、市民サービスの向上や効率的、効果的な業務執行の観点から、関連部署と十分に連携を図りながら、さらに詳細な検討を行っていく考えでございます。

かとう治
 今回の支援業務委託も含めて、業務の効率化、最適化が図られ、市民目線に立ったサービス向上が図られるならば、私どもは委託であろうと直営であろうと手法にはこだわりはありません。ただ、結局どのような手法や執行形態をとっても、全てそれを担う人次第です。縦割りを排し、ターゲット目線で課題を自分ごととして捉え、考え、動ける人と、そうした人たちでつくり上げるチーム意識があればこそとも思っております。
 今の御答弁では、実績や専門性等を有する事業者の外部の視点での提案を得るため調査を委託するということでした。ただ、こうしたことを直営で行いがたい背景には、各職場において事務事業の見直しや業務改善をしても新たな仕事や業務量が増える状況や、ノウハウを有した人員の配置、人事異動による業務の継続性など、根深く連鎖的に絡み合う課題があるのでないかと、やはり思うところではあります。
 市長は、市政運営方針でも組織風土の変革と言われておられますが、ここに至るまで、縦割り意識や組織風土の変革が進んでいるようには正直見受けられません。何がその支障となっているのか、その要因をしっかり分析し課題を解消していかないと、一口に意識改革、組織風土変革といってもなかなか進まないものと考えます。こうした点についてもしっかり御留意いただき、市民目線に立ったより効率的、機能的な市役所づくりを進めてもらいたいと思います。意見といたします。

防犯対策事業について

かとう治
 一般会計予算説明書155ページの概要説明、1.防犯対策事業経費には、(2)防犯カメラ設置事業費として4,478万4,000円、また、(3)防犯カメラ維持管理費として582万円が計上されていますが、この経費の内訳について、お伺いいたします。

危機管理室課長
 (2)防犯カメラ設置事業費の内訳としましては、平成28年度、平成29年度の2カ年事業により設置した650台のリース料2,425万8,000円と、老朽化に伴う329台の更新と通学路における安全点検等により今回増設する25台を合わせて354台分のリース料2,052万6,000円でございます。
 次に、(3)防犯カメラ維持管理費の内訳としましては、防犯カメラの電気代435万円と防犯カメラを設置する電柱等の共架料147万円でございます。

かとう治
 平成26年度以降に設置した防犯カメラは、画像の取り出しに伴う高所作業の危険性を回避するため無線通信式を採用するなど、安全性と性能を重視して機種の選定を行われたと聞いています。今回はどのような防犯カメラを設置する予定となっているのか、お伺いします。

危機管理室課長
 今回設置する防犯カメラは、映像の画質やセキュリティー面などを含めて、これまで使用してきた機器以上の性能を備えたIoT機能つき無線通信式の機種で、これまでになかった機能として、カメラ本体が故障した際などにEメールが送信される機能を備えたものとなっております。

かとう治
 今回の予算では、新たにIoT機能つき無線通信式の機種を設置することにより、故障した際にも即時の対応ができるとの利点をお聞きしました。これまでの経緯として、防犯カメラの設置については、通学路における危険箇所の犯罪回避を前提に設置箇所が進めてこられたと伺っております。
 今後の想定では、設置当時から道路事情等の変化もあり、設置箇所の見直しなども考えられると思いますが、地域の自治会やコミュニティ協議会からも意見を吸い上げていただき、地域住民の方々が安心感を持って過ごすことができるまちづくりをより一層進めていただきますようお願いしたいと思います。

七夕関連事業経費について

かとう治
 続きまして、予算説明書143ページの七夕関連事業経費108万円について、お伺いします。
 市長の市政運営方針において、年間を通じて七夕関連事業を展開し、七夕伝説ゆかりのまち・枚方を広く市内外に発信するとされていますが、この予算の額でどのような事業展開がなされるのか、具体的な事業内容と経費の内訳をお伺いいたします。

ひらかた賑わい課長
 七夕関連事業の主なものといたしましては、昨年復活いたしました夏の七夕ジャンボ笹飾り、また、七夕のイメージから出会い、交流をテーマとした七夕婚活、冬にも温まり交流できるイベントの開催など、市内外へのPRと市民の郷土愛の醸成のため、年間を通じて七夕を発信してまいります。
 経費の内訳につきましては、主にイベント開催に係る会場設営費、出演者への報酬等となっております。ジャンボ笹飾りの竹の切り出しや竹灯り灯籠のデザイン、制作、短冊の飾りつけにつきましては、市のみならず市民団体や学校等と連携して、また、七夕婚活は参加される方からの参加費で実施するなど、経費を極力抑えながら取り組んでまいります。

かとう治
 経費をかけないようさまざまな団体と連携するとのことですが、具体的にはどのような団体と連携を図られるのか、お伺いいたします。

ひらかた賑わい課長
 七夕ジャンボ笹飾りでは、子どもたちに短冊に願い事を書いてもらえるよう、市内保育所や小学校などに協力を求めるほか、竹の切り出しや竹灯りの制作は、枚方宿地区まちづくり協議会と連携しながら、里山保全のNPOの竹取物語の会や北大阪高等職業技術専門校、むらの高等支援学校などに協力していただく予定でございます。また、七夕婚活は大阪国際大学、日本スポーツ婚活協会との連携により、学生ボランティアの協力も得ながら、企画、実施してまいります。このほか、七夕関連事業の実施に当たりましては、先月に実施予定でございました、ひらかた鍋フェスの実行委員会のメンバーでアイデアを出し合い、通年でのにぎわいづくりの企画、実行に取り組んでいく考えでございます。

かとう治
 本市の地域資源である七夕を生かしたこの事業は、とてもよい取り組みだと思っております。本市のアピールポイントの一つ、七夕伝説ゆかりのまち・枚方を広く知っていただくためには、今後さまざまな七夕イベントに取り組んでいただき、定着させていくことも大切です。そこから市民のふるさと意識が高まり、次世代を担う子どもたちの我がまちを愛する心、いわゆる郷土愛が育まれるものと思っております。限られた予算の中ではありましょうが、さまざまな団体と連携して、七夕伝説ゆかりのまち・枚方を強く打ち出し、市民、とりわけ枚方の子どもたちの心にいつまでも残るようなアイデンティティを持った事業展開をお願いしておきます。

図書館における子ども夢基金について

かとう治
 本市では、ふるさと寄附金などを活用し、枚方市こども夢基金として積み立て、その基金から子どもたちの夢を育む事業に取り組まれておられます。この基金を活用した取り組みとして、予算説明書417ページの、15.ひらかた科学祭2020~宇宙の学校開催経費95万1,000円と、419ページの、同じく、月をめざしてしゅっぱつ!開催経費92万6,000円についてですが、このひらかた科学祭2020とはどういうものなのか、お伺いします。

中央図書館副館長
 ひらかた科学祭2020につきましては、令和2年度から中央図書館と教育研修課が連携し、枚方の子どもたちの科学に対する興味や関心を高めることを目的に、これまでそれぞれで実施してきた事業をより広がりのあるイベントとして実施するものでございます。教育研修課では、教育文化センターにて科学のおもしろさなどを体験できる子どもサイエンスフェアを、中央図書館では、宇宙や月をテーマに家族や仲間との協力や宇宙の不思議を学べるイベントを、いずれも小・中学生を対象に両課で連携して開催するものでございます。

かとう治
 御答弁ありがとうございます。
 ひらかた科学祭~2020宇宙の学校開催経費について、お伺いします。
 宇宙の学校については、今年度よりも大幅に予算を増額し、枚方市こども夢基金繰入金分として95万1,000円が計上されています。この事業の取り組み内容はどのようなものなのか、申し込み状況とあわせてお伺いいたします。

中央図書館副館長
 ひらかた科学祭2020~宇宙の学校開催経費について、お答えいたします。
 この事業は、JAXA、宇宙航空研究開発機構、教育センターとNPO法人KU─MA子ども・宇宙・未来の会の協力のもと開催いたします。なぜだろうという素朴な好奇心こそが探求心の原点であるとして、イベント体験だけでなく家庭学習としても科学の実験をしながら家族ぐるみで子どもを応援する取り組みです。年4回のワークショップでは、会場に用意した本を使って、親子で体験学習に取り組んでいただきます。今年度は25組の募集に対し200組を超える応募がありましたので、令和2年度は午前と午後に分ける形で実施し、64組の募集に増やすこととしております。

かとう治
 取り組み内容についてはよくわかりました。今年度は200組を超える応募があったということで、子どもや保護者の方々が科学や宇宙への関心が高いことにびっくりしましたが、このことについては最後に要望の部分で言わせていただきます。
 続きまして、予算説明書419ページの、21.ひらかた科学祭2020~月をめざしてしゅっぱつ!開催経費について、お伺いします。
 来年度、枚方市こども夢基金繰入金分として92万6,000円が計上されていますが、この事業の取り組み内容について、お伺いいたします。

中央図書館副館長
 ひらかた科学祭2020~月をめざしてしゅっぱつ!開催経費について、お答えします。
 この事業は、宇宙をテーマにした科学の児童書の原画展及びはやぶさ2にかかわるJAXA研究者による講演会を開催し、宇宙への関心や科学への好奇心を高めてもらうものです。JAXAの講演会は、はやぶさ2の製作にかかわった山田哲哉准教授をお招きし、はやぶさ2の地球帰還後に開催いたします。

かとう治
 当初予算の概要の中で、「市として科学教育に取り組む体制をつくり、効果的な事業実施を目指す」とありますが、そうであるなら、ひらかた科学祭2020~宇宙の学校開催事業については、前年度の応募数も踏まえて、予算要求のときに、もっと多くの方に参加してもらえるような企画にすべきだったのではないかと思っております。さらに、ひらかた科学祭2020という事業名をつけられているのであれば、子どもたちに科学の楽しさにもっと触れていただき、そして図書館を訪れることにより本に親しむきっかけをつくっていただきたいと思います。このようなイベントの開催と本を結びつけ、体験と知識がつながることで、子どもだけではなく保護者も一緒に成長ができ、より深みが増すように思います。
 また、さらに、科学や宇宙といいますと、国内でも有数の規模を誇る600ミリメートルの天体望遠鏡を備えた野外活動センターがあります。これを使わない手はないと考えております。残念ながら、令和2年度は教育研修課と中央図書館との連携だけということですが、今後は、さらに野外活動センターも加えて一緒に取り組みをされてはいかがでしょうか。今回の機構改革で野外活動センターを所管するスポーツ振興課が教育委員会から離れることにはなりますが、教育委員会から離れたからといって一緒にできませんとはならないと思っております。
 これぞ市長のおっしゃる横串、まさにチーム枚方ではないでしょうか。ぜひとも、職員の皆さんにその心を持っていただいて、子どもたちに喜んでもらえる事業にしていただきたいと要望させていただきます。

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