令和3年12月定例月議会での一般質問
枚方市におけるごみの分別収集について
かとう治
本市における家庭ごみは、一般ごみ、空き缶、瓶・ガラス類、古紙、ペットボトル・プラスチック製容器包装、そして粗大ごみに分類され、収集が行われております。また、これとは別に、リサイクルや環境保全等の適正排出を目的に、使用済小型家電及び水銀使用廃製品の回収ボックスを本庁や支所などに設置し、回収が行われていると伺っています。
しかしながら、分別収集が行われているにもかかわらず、先日、北河内4市リサイクルプラザかざぐるまにおいて、プラスチックごみの中に混入された電子ライターが原因で火災が発生したとの報告を受けました。また、粗大ごみ収集においても車両火災が幾つか発生していると伺っております。
そこで、過去3年間に発生したごみ収集車の火災件数と出火原因について、詳細をお伺いいたします。
環境部長
過去3年間に発生した車両火災は18件となっております。出火原因としましては、平成30年度では、ライター、スプレー缶等が5件、リチウムイオン電池が2件の計7件。令和元年度では、ライター、スプレー缶等が3件、リチウムイオン電池が2件の計5件。令和2年度では、ライター、スプレー缶等が2件、リチウムイオン電池が4件の計6件となっております。
かとう治
過去3年間において18件の車両火災は、決して少なくない件数と思います。そのうち8件については、リチウムイオン電池など小型充電式電池が原因とのことですが、令和2年には4件もの火災の原因になっているとのことです。インターネット等で確認したところ、全国的にもリチウムイオン電池による車両火災が多発していることがうかがえ、本市の状況を見ても同様の傾向があるように思います。
小型充電式電池は、時代とともに軽量化され、様々な製品に利用されていますが、電子たばこやワイヤレスイヤホン等、内蔵されているものはどのように処理してよいか分からない場合も多くあります。
そこで、小型充電式電池の処理方法はどのようになっているのか。また、本市での取組状況について、お伺いいたします。
環境部長
小型充電式電池につきましては、一般社団法人JBRCによる回収リサイクルシステムを活用し、分別を推進しております。具体的には、小型充電式電池の取り外しができる場合は、市民が直接、家電量販店等のリサイクル協力店に設置されているリサイクルボックスへ投入し、製品に内蔵されているなど取り外しが困難な場合は、本庁や支所等に設置している使用済み小型家電の回収ボックスへ製品ごと投入するものとしております。
次に、本市の取組につきましては、処理方法やリサイクル協力店の案内、小型充電式電池の危険性、リアルな車両火災の発生状況などをホームページやごみ分別アプリ「さんあーる」、SNSなどを活用し、啓発活動を行っておりますが、議員御指摘のとおり、現状では一部分別されずに排出されたものにより火災が発生しておりますことから、市民一人一人が主体的に分別を行っていただけるよう、他市事例を参考に、引き続き啓発活動に努めてまいります。
かとう治
引き続き、他市事例を参考に啓発活動に取り組んでくださるとの御答弁をいただきました。
近年の技術革新は目まぐるしく、今後においても、リチウムイオン電池のように便利な製品が普及されることもあると思いますが、不要となった場合に発生する処理問題については常に後追いでの検討や対策となり、市民が混乱することや、場合によっては大きな問題にも発展する場合があります。
今回のケースは、分別されなかったリチウムイオン電池による火災発生ですが、規模によっては収集車両の廃車や施設の重大な損壊となる場合もあり、ひいては市の財産や市民生活に大きな打撃を与えることにもつながります。このような問題は、啓発活動のみで徹底するには限界があり、一自治体や利用者だけで解決できる問題ではなく、国や都道府県と連携するとともに、製造業者などが製造段階から対策するなどの仕組みも必要と考えています。
収集業務を行っている職員の安全性確保や、市民が適正排出できるよう処理方法の周知徹底を行いながら、新たな収集方法の検討や国・府への提言など、様々な角度からの対応を講じていただきますよう要望しておきます。
臨時災害放送局について
かとう治
先日、令和4年2月末でエフエムひらかたが閉局するとの報告がありました。災害時におけるエフエムひらかたの役割を改めて考えますと、より多くの市民に避難情報を伝え、万が一災害が発生した場合には、ライフラインや支援物資等に関するきめ細かな情報を発信することであると認識しております。
今回の閉局による影響を最小限とするため、市としてどういったことに取り組んでいるのか。まずは、災害に対する取組内容について、お伺いいたします。
危機管理監
災害時に市民にとって必要な情報を確実に伝えるため、本市では、今年度から、新たな取組として2つの方法で情報伝達の多重化を図りました。
一つは、スマートフォンや携帯電話を持たず、テレビやラジオなどで災害情報を収集していた方々を対象に、自宅の固定電話に避難情報を伝える自動音声配信電話サービスを開始いたしました。
もう一つは、市公式LINEの機能を拡充し、防災アプリを導入しました。これにより、LINEのメッセージ配信機能を活用して、きめ細かな情報を市民に届けることが可能となりました。
今後も引き続き、情報伝達の充実、強化に取り組んでまいります。
かとう治
御答弁いただいたように、通信インフラやライフラインが被災していない状況下では、情報伝達に大きな支障は生じないと考えます。しかし、令和元年9月に発生した台風15号では、商用電源の長期停電などにより、千葉県内の40前後の市町村で長時間の通信障害が発生し、完全な復旧には9日程度を要したと報告がされています。このような通信インフラやライフラインに問題が生じた場合を想定すると、携帯やスマホに情報伝達を過度に依存することはリスクがあると考えます。
本市では、そういった状況に備えて、災害時に臨時で国から放送電波の許可を得てFM放送局を緊急に設置できる臨時災害放送局の活用を視野に入れていると伺っておりますが、臨時災害放送局開設までの流れをどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
危機管理監
臨時災害放送局の開設までの流れについてですが、発災後、災害対策本部におきまして開設の判断を行います。そして、開設を決定した場合は、放送に係る免許申請を近畿総合通信局放送課に口頭で行い、放送に必要な資機材一式を借用いたします。
その後、割り当てられた周波数や放送スケジュールを市民へ周知した後、放送の開始という流れになると考えております。
かとう治
臨時災害放送局の開設までの流れについて、理解いたしました。
その上で、災害時に臨時災害放送局を適切に運用するには、開設手順を整理するだけではなく、より詳細な開設基準や放送設備の設置場所、放送担当者の選定など、運用に関する具体的な事項を、訓練を通して整理しておくことが望ましいと考えます。
近畿総合通信局にも支援をいただきながら、臨時災害放送局の設営訓練が実施可能なのか、また、可能であればどのような内容となるのか、お伺いいたします。
危機管理監
近畿総合通信局放送課に、資機材の貸与も含めた訓練への協力可否を確認したところ、具体的な話があれば検討は可能との返答をいただいております。
実際に訓練をするためには、臨時の放送免許を申請し、許可を受ける必要がありますが、過去には、和歌山県が近畿総合通信局と連携して、沿岸部の施設に臨時放送局を設営し、試験放送訓練を実施した事例もあると聞いております。
かとう治
携帯電話やスマートフォンを防災時に活用されている方は非常に多いと考えられますが、通信インフラが被災した場合を考えますと、エフエムひらかたが閉局することにより、臨時災害放送局の必要性が高まります。これまでは、エフエムひらかたの協力により、市民の方は災害時にはエフエムひらかたを活用されていたと伺っておりますが、今後を考えますと、臨時災害放送局を設置する場合、被災して1日から2日で近畿総合通信局放送課より資機材の貸与が行われることになり、事前の準備が非常に重要だと考えます。
災害時に臨時放送局を円滑に開設することを踏まえ、通信インフラが機能していない状況で、どのように周波数や放送スケジュールを伝えていくのかなど、事前に実践経験がなければ、有事の際にとても不安であると考えます。
本市でも、情報伝達手段の多重化をさらに強固にすべく、過去には和歌山県で近畿総合通信局と連携し訓練を実施されたということですので、ぜひとも同様に訓練の実現を検討していただきたいと要望します。
また、避難所においてですが、防災ラジオが設置されていないと地域の方々より伺っております。
本市の備品では、53か所の避難所に配付できるラジオを所持していると伺っておりますので、早期に配付していただきますようお願いいたします。
保育所の手続について
初産における保育所利用の課題について
かとう治
保育所等の利用を希望する方から、1人目の子は保育所に入りにくいという相談を受けることがあります。初産のときは、出産、育児、保育所の利用など全てが初めての経験となるわけですから、保護者に対するサポートが特に必要だと思います。コロナ禍で同じ立場の人と交流できる機会が少なくなっている中で、保育所等を利用できず長期間待機することになれば、社会的孤立を生むリスクがあるのではないかと危惧いたします。
枚方市の利用調整のルールでは、本当に1人目の子どもさんが入りにくいのか。
そこで、初産における保育所利用の課題をお伺いいたします。
子ども未来部長
本市の保育所等の利用調整は、就労など保護者の保育要件に応じた基礎点に、ひとり親など世帯の状況に応じた調整点を加算して、希望する施設ごとに点数の高い方から利用していただくこととしております。
既にごきょうだいが利用されている施設を希望される場合、同じ施設を利用しやすくするために調整点を加算しており、状況によりましては2人目以降のお子様が利用しやすくなることもございます。こうした状況は希望施設によって異なるため、お問合せの際に待機順をお伝えし、必要に応じて希望施設の変更を御案内するなど、保育所等を御利用いただけるように努めているところでございます。
また、1人目のお子様で初めて保育所等を利用する際、申込時期や利用調整のルールなどが分からず戸惑われることも多いため、令和3年9月から、妊娠中の方や転入予定の方を対象に、ビデオ通話による保育利用相談を開始し、申請前の事前相談を行っております。
かとう治
きょうだいで保育所等を利用する場合に同じ園を望まれる気持ちは理解できますし、調整点を加点していることは否定しません。しかし、保育所等の申請に関するノウハウの面で差があることは、結果に大きく影響するのではないかと感じています。答弁にもありましたように、ビデオ通話による利用相談などで、出産前の方にも利用調整のルールなどについて丁寧に御案内いただくようお願いいたします。
また、ビデオ相談は、コロナ禍においてもリスクがなく、すばらしい取組だと思いますので、1人目の子どもさんを妊娠している方にも丁寧に情報が行き届くよう、例えばポスター掲示などを産院に協力していただくなど、連携した周知も検討いただくよう要望しておきます。
保育所の利用を希望される方々に対して、不安を払拭するために、申請前の事前相談を丁寧に進めていただきますようお願いいたします。
利用者目線の入所申請について
かとう治
母親が手続をされる場合、産後は身体が辛く、睡眠も十分に取れないのに、少しでも早く申請しなければと無理をして申請されるケースがあるようです。妊娠、出産は医療的に病気ではなく、生理的なこととして取り扱われますが、WHOより、世界の妊産婦死亡数は年間およそ30万3,000人と発表されており、まさに出産は命がけであると認識しています。
そこで、産後に負担をかけないためにも、例えば、出産前に保育所等の利用申請ができれば、保護者の負担が軽減できるのではないかと思うのですが、市としての見解をお伺いいたします。
子ども未来部長
保育所等の申請にお子様を連れてこられる方が多いため、出産前のほうが手続に係る負担が軽い面があることは認識しております。一方で、出産後、少しでも早い時期の申請を希望される方が多くおられる中、育児休業制度の充実等に伴い保育の利用希望時期は全体的に遅くなっており、申請から利用開始までの期間が長期化する傾向にあります。この間に保護者の就労状況等が変化した場合、改めて手続が必要となることや、点数の変動により全体の利用調整に大きな影響が生じることがあります。
また、出産前の申請では、保育所等の利用に当たって必要な情報となるアレルギーなど、お子様の健康状態の把握が難しいという課題もございます。
出産前の入所申請につきましては、こうした課題を踏まえ、調査、研究してまいります。
かとう治
保育の利用希望時期が全体的に遅くなっているとのことですが、育児休業を取れずに二、三か月のお子様を預けなければならない方もいらっしゃると思います。例えば門真市では、4月入所の申請に限って出産前の受付を行っているそうです。課題はあるでしょうが、可能な範囲で構いませんので、本市でも出産予定の申込み受付を検討していただくよう要望しておきます。
若い世代にとって、保育所等が利用しやすいかどうかは大きな問題であり、ここをしっかりしなければ、まちに魅力を感じないと思います。保育の受入れ枠には限りがあり、申請者の希望を全てかなえることが難しいことは理解していますが、急いで申し込まなくても安心できる、公平性が担保されたルールで利用調整をしていただきますようお願いしておきます。
小・中学校におけるICT教育の現状について
タブレットの活用状況について
かとう治
新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で、学習面では、2学期開始と同時に、新型コロナウイルス感染症に不安を感じ登校ができない子どもたちのため、登校かオンライン授業かを選択できるハイブリッド型授業を実施したと伺っております。
また、家庭に対しては、ZOOM等を利用してオンライン授業参観、情報共有ツールのGoogle Classroomを活用して保護者連絡や学校や学級通信の配信、ブログによる学校の様子の積極的な配信等、枚方市として独自の取組を進めていると伺っております。
新型コロナウイルスの感染状況に応じ、教育委員会も急ピッチで対応してきたことと思いますが、ハイブリッド型授業が終わった現在の活用状況について、検証結果なども踏まえてお伺いいたします。
教育委員会事務局学校教育部長
本市では、LTE版のタブレット端末を配付しており、どのような状況下でもタブレット端末を活用した学びができる環境を整えております。
6月に全校の教職員を対象に実施したアンケート調査では、約9割の教員が、ICT機器を計画的に活用することができていると回答しております。また、児童、生徒を対象にしたアンケートでは、9割以上の児童、生徒が、タブレット端末を使うことで学習の理解が深まると回答しており、タブレット端末の活用は非常に効果的であると考えております。
また、ハイブリッド型授業の終了後も、様々な要因で登校できない児童、生徒に対して、保護者等と相談しながら、オンラインを活用した授業や課題の送付等、学びの保障を継続して実施しております。
かとう治
教育委員会並びに学校の先生方は、コロナ禍の中、急なスタートであったハイブリッド型授業を実施するに当たり、子どもたちのため試行錯誤しながら取組を進めてこられたことに、一保護者として大変心強く思いましたし、前例のない中で途方もない尽力をしてくださったことに改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。
どのような状況下においても誰一人取り残さないように、LTE版のタブレット端末を配付され、学びの機会を与えて下さったことが、しっかりとアンケートの検証結果にも反映されたと実感しております。今後も、様々な理由で登校することが難しい状況にある児童、生徒への対応や保護者への周知について、引き続き丁寧な対応と積極的な発信を期待しています。
利用時の危機管理について
◯かとう治
本市では、情報モラル教育の一環として、毎年、著名な外部講師を学校に招き特別授業をするなど、継続的に取組を進めていると把握しております。
タブレット端末が導入され、これを積極的に活用していくことと、危機管理を怠らないことや、正しく活用するために子どもたちの情報モラルを醸成することを同時並行で進めなければならないと考えますが、タブレット端末利用時における危機管理について、どのような対策を行い、子どもたちにはどのように指導を行っているのか、お伺いいたします。
教育委員会事務局学校教育部長
今年度は、毎年招聘しております外部講師に、児童・生徒向け、教職員向け及び保護者向けの情報モラル研修の動画作成を依頼し、全校で活用できるように送付しております。さらに、教育委員会としましては、児童、生徒が情報活用の在り方についてしっかりと理解し、責任を持って積極的に情報端末を利用するためのデジタルシティズンシップ教育を進めております。
デジタルシティズンシップ教育とは、従来の抑制的なイメージの情報モラル教育ではなく、ICTを活用するに当たり、どのように活用すればうまくいくか、正しく活用するためにはどのようなルールにすればいいかなど、ポジティブな考え方に基づいた情報モラルの取組です。今年度の夏季校長研修や教職員研修では、デジタルシティズンシップ教育についての研修を実施しました。
一方、タブレット端末の適切な使い方については、児童・生徒一人一人がパスワードを設定し管理するための指導を徹底するなど、より一層の危機管理に努めているところでございます。
かとう治
令和3年9月に国が取りまとめた「GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケートの結果及び今後の方向性について」では、子どもから約21万7,000件、大人から約4万2,000件の回答があり、検証された結果が報告されました。その中で、子どもについてですが、「学年が上がるにつれ、モラルを守ることを重要視するコメントが減り、活用機会の増加を求めるコメントが増えていく」とのことです。
先ほど、デジタルシティズンシップ教育を進めていくとの御答弁をいただきましたが、子どもが自ら主体性を持って自制していく必要があり、まさに重要性が高まっていると考えます。従来とは考え方が異なるために、周囲の理解を得るには丁寧な対応が必要だと思いますが、学校、保護者の理解を深めながら、引き続き進めていただきますよう要望します。
今後のICT教育について
かとう治
GIGAスクール構想の実現に向けた取組は昨年度から始まったばかりで、枚方市としても様々な課題にチャレンジし、進めているところだと思います。
その中で、1人1台タブレット端末を配付し、学校の授業などで活用が進んでいますが、本当に効果的な活用ができているか、学力向上に結びつくような活用ができているのか、また家庭学習などにも活用できているかなど、解決すべき課題も見えてきたのではないでしょうか。
保護者からは、学校のICTを活用した取組が分かりにくいといった声や、タブレットの活用頻度が上がるほど、子どものコミュニケーション力や創造性、協働性等を育む教育はどうなっているのだろうかとの声を聞いております。
そこで、本来子どもたちに必要なこれらの能力の育成などの視点を踏まえて、今後の本市におけるICT教育についての展望をお伺いいたします。
教育委員会事務局学校教育部長
タブレット端末を活用することで、友達同士で意見を共有、交流したり、スライドや動画を作成し自分の考えを発表することにより、コミュニケーション能力や創造性、協働性等をさらに伸ばすよう努めております。
今年度の本市における全国学力・学習状況調査の児童・生徒質問紙調査の結果では、ICTを友達との意見交換や調べ学習にどの程度使用しているかという質問で、「ほぼ毎日」と答えた児童、生徒が全国平均を大きく上回っておりました。
本市では、タブレット端末を活用した授業改善を進めていくとともに、児童、生徒の思考の整理や考えの発表等にタブレット端末を活用し、主体的、対話的で深い学びの推進や情報活用能力の向上等、今後、児童、生徒が情報化社会で生き抜く上で必要な力を身につけるように取り組んでまいります。
かとう治
GIGAスクール構想を通じて、未来社会であるSociety5.0時代を生き抜く力を育てることが、今の子どもたちに求められています。そのためにも、タブレット端末の活用について学校が前向きに捉え、文房具の一つとして誰もが使いこなせる道具にすることが、学校、そして教育委員会の役目ではないでしょうか。
そのためには、学校の努力だけではなく、保護者や地域の理解を得た上で両輪で推進していくことが、目標達成への近道であるはずです。現在行っている学校のブログなどをうまく活用し、教育委員会や学校の取組を積極的に発信することが大切であります。
学校現場の取組がさらに推進するよう、子どもたちのタブレット端末活用においてハード面、ソフト面の充実を図るため、例えば、ICT支援員の配置状況は、財源の確保が困難、求める人材の発掘、確保が困難など、全国的に課題であります。本市では、既にICT支援員が配置されており、過去に需要が高まった際に拡充をされたとも伺っております。しかしながら、ICT支援員の需要は、現場ではいまだに充実に欠けているとお話を伺っております。
ほかにもたくさんございますが、本市は他市よりもICTに関して進んでいると理解していますので、そのような課題解決のためにも、より一層、予算の確保について市長へ要望させていただきます。
また、教育委員会はGIGAスクール構想を具体的に理解されていないと、教師並びに保護者より多く伺っていますので、学校、保護者の両面へ正確で迅速な情報発信に努めることも併せてお願いいたします。
登下校における危機管理について
かとう治
今年6月、千葉県八街市で下校児童の列に車両が飛び込み死傷者が出る痛ましい事故がありました。八街市では、2016年11月に、別の通学路で登校中の児童の列にトラックが突っ込み4人が重軽傷を負った経緯もあり、今年6月の事故が起こった現場は地域からも危険箇所とされていたにもかかわらず、交通安全の対処がなされていなかったことに、多くの方が憤りを感じたと記憶しています。
警察庁のまとめによると、登下校中の事故で死亡したり重症を負ったりした児童の数は、平成28年から令和2年の5年間で908人に上っており、登校中が294人、下校中が614人と、下校中の事故が特に目立っております。この数字は、軽いけがやけががなかった事故、中学生以上の子どもたちは含まれておらず、実際にはより多くの児童、生徒が事故の当事者となっております。
そのような経緯も踏まえて、過去から通学路での事故も報告される中、通学路を明確にするために、小学校の通学路にグリーンラインを引く取組をされていますが、そこでまず、枚方市ではどういった基準でグリーンラインが引かれているのか、詳細について、お伺いいたします。
教育委員会事務局総合教育部長
本市では、学校や地域等と協議を行いながら、小学校よりおおむね半径300メートル圏内で、歩道がなく、かつ外側に白線が引かれている小学校の通学路を対象に、グリーンラインを引いているところでございます。
なお、その選定に際しましては、車両ドライバーが児童への注意が特に必要となる区間を対象としているものでございます。
かとう治
グリーンラインが小学校通学路の安全確保の取組として実施されていることは分かりました。
歩行者は右側通行が原則ですが、小学校の通学路においては、安全に通学できることを考慮してグリーンラインを引くことで、道路によって左側通行になる道路もあると伺っています。
中学校においても、右側通行を守ることで、どうしても横断歩道がない箇所で数度横断するような危険な道路が幾つかあります。中学校についても、指導や安全確保の一環としてグリーンラインを引くことができないものか、お伺いいたします。
また、中学校周囲で危険箇所は認識できているのか、中学校周囲での安全確保をどのようにお考えなのか、併せてお伺いいたします。
教育委員会事務局総合教育部長
中学校につきましては、小学校と異なり通学路の設定がないため、グリーンラインの施工は行っておりませんが、中学校周囲の安全確保の取組といたしまして、通学時の安全を生徒に指導するなど安全教育の徹底に努めているところでございます。
また、中学校の周囲における危険箇所につきましては、校区内の枚方市子どもの交通安全プログラムに基づきまして調査、点検することにより確認しています。
かとう治
中学校区においては、通学路の設定がないためグリーンラインの施工は行っていないとのことです。
世間ではグリーンラインの認知度が高まっており、それを活用した通学指導とドライバーへの安全認識は、交通心理学でも実証されており、とても有効であると考えております。
今回質問させていただいた経緯には、中学校生徒の登校時に、学校と近隣の方との間で交通トラブルが生じていた事実があります。中学校には通学路が定められていないことが理由でグリーンラインは引けないことは分かりますが、私が確認させていただいたところ、小学校の通学路にも危険性が高く適応しない場所が、中学校の外周で確認できました。中学校外周は、多くの生徒が登下校で通行する部分ですので、危険箇所については基準を設けて対応を行うなど、明確化していくべきだと考えます。
静岡県菊川市では、岳洋中学校区関係者が登下校中の安全について意見交換を行い、小・中学校4校の教職員と地域住民約30人が参加し、事故を地域で防ぐためにできることを考えたと伺っています。
本市では、危険箇所を調査、点検することにより確認しているとのことでしたが、子どもの安全を第一に、地域とも協働して、要望に沿った対策を行っていただきたいと思います。他市での活動も参考に、今後できることを考え、グリーンラインの施工も含め、中学校周辺の安全対策を徹底して講じていただきますよう要望いたします。
※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。