令和3年6月定例月議会での一般質問

質問内容

コロナ禍による影響が長期化する中での事業者への支援について

かとう治
 世界各国にて新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、現在、我が国では3回目の緊急事態宣言が発令されています。その中で、個店を経営される方々は、顧客に安心を与えるために、ありとあらゆる試行錯誤を繰り返しながら感染防止対策に取り組んでおられると伺っております。事業を行っていく上で、幾度となく繰り返される休業要請など、経営していく先が見通せない中、本市でも、事業者に対して継続的な支援を行っていく必要性が求められています。
 そこで、まずは本年度における事業者への支援策の取組状況について、お伺いします。

観光にぎわい部長
 本年度は、コロナ禍における市内事業者への支援策として、引き続き事業者支援総合相談窓口を商工振興課内に設置し、国・府をはじめ各種支援策の最新情報の提供や、専門家による相談に対応しております。
 また、国・府の支援の対象とならない個人事業主など小規模事業者等を対象に、業種を限定せず1事業所当たり10万円を支給する小規模事業者事業継続支援金に取り組んでいるところです。

かとう治
 小規模事業者を対象とした事業継続支援金に取り組んでいると御答弁をいただきました。
 内容ですが、今年1月から4月までのいずれかの月の売上げが前年比または前々年比で5%から50%未満の減少となった小規模事業者を対象に支援をする事業だとお伺いしております。
 現場の声では、実際は20%から40%程度売上げが減少しているところが最も多いと伺っております。長引く新型コロナ感染症拡大の中で、業種にもよると思われますが、20%から40%の売上げ減少は、経営を続けていく上で死活問題でもあると聞いております。これが中長期に続けば、当然閉店に追い込まれていくことが安易に想定でき、既に廃業へと追い込まれたお話も伺っております。
 そこで、セーフティネットとも言えるこの支援金は、申請対象が約5,700件との見込みと伺っていますが、現時点における申請件数をお伺いします。
 あわせて、昨年度に取り組んだ様々な事業者支援策では、事業者の方々に支援策を理解していただく周知方法に課題があったと承知していますが、今回の小規模事業者を対象とした事業継続支援金は、どのような周知を実施し、どの程度の期間で支給しているのか、お伺いいたします。

観光にぎわい部長
 6月15日時点における申請件数は、445件となっております。
 次に、周知についてですが、『広報ひらかた』、市ホームページやSNSへの掲載、市役所本庁舎各関係窓口のほか、生涯学習市民センターなど市内公共施設での配架、枚方信用金庫、北大阪商工会議所を通した周知活動に取り組んでおります。
 また、支援金の支給につきましては、申請受理後、必要に応じて中小企業診断士など専門家の意見も伺いながら速やかに審査を実施し、3週間程度で支給しております。

かとう治
 支援金の支給について、速やかに審査を実施し、3週間程度で支給されているとお伺いしました。
 昨今では、緊急事態宣言下において、休業要請の支援金に多くの遅滞が見受けられ、やむを得ず仕事を再開せざるを得ないなどのお話を多く伺っております。その点を鑑み、今回のようにスピード感を持って支援を行うという対応をなされたことは、とても大切なことだと考えます。
 さて、今回のように新型コロナウイルス感染症が長引いている影響はとても大きく、例えば、例年開催しておられた地域の方々と共に取り組んできたイベントなどを開催することもままならず、今後も事業者にとって非常に厳しい状況が続くであろうと思われます。このままでは、商店街や商店会は存続さえ難しい状況であると伺っております。引き続き現状の課題をしっかりと把握していただき、商店街や事業者の目線に沿ったさらなる支援の取組を迅速に行っていただきますよう要望させていただきます。

新型コロナウイルス対策本部会議における市施設の休館等の決定について

かとう治
 新型コロナウイルス感染症について、感染拡大等の影響により、市は、国が発令した緊急事態宣言などに対応するため、新型コロナウイルス対策本部会議を開催し、市内の文化施設やスポーツセンターの休館や利用制限、イベントの中止などの決定を行うなど、方向性の決定を常にされております。
 これまでの市施設については、対策本部の決定により、休館または利用制限の期間が近隣市と比較して長期間となっていたり、イベントについても中止または延期されるケースが多かったのではないかと認識しております。
 そのような中ではありますが、市民待望の総合文化芸術センターが9月にオープンされます。先月には開館記念公演のチケットが発売されていましたが、会場の収容率を50%にするなど、何らかの制限を設けて販売されたのでしょうか。また、チケットの売行き状況についても併せてお伺いいたします。

観光にぎわい部長
 現在、チケットを販売した総合文化芸術センターの開館記念公演につきましては、8月30日に予定している野村萬斎氏と文化芸術アドバイザーの辰巳満次郎氏による伝統芸能事業、9月5日の大阪フィルハーモニー交響楽団の特別公演となりますが、2公演ともに、チケットについては国の基準に基づき制限を設けず収容率100%で発売し、既に完売している状況です。
 なお、開催時の感染状況によりましては、本市の新型コロナウイルス対策本部会議の検討結果において中止または延期となる可能性もございます。

かとう治
 総合文化芸術センターについては、市民の注目度も高く、オープンを心待ちにされている方もたくさんいらっしゃいますので、開館記念公演のチケットを収容率100%で発売され完売したことは非常に喜ばしいことであり、今後も市民の期待に応えられるような多彩な事業を展開していただくようにお願いいたします。
 しかしながら、新型コロナウイルスとの闘いは継続していくと考えられ、今後も、施設の休館やイベントの中止を決断しなければならない場合があるのではないでしょうか。
 本市では、昨年12月に、近隣市でも実施しなかった施設の休館やイベントの中止等を、国や府の要請がなかったにもかかわらず対策本部会議で決定し、結果として翌年2月末までの約3か月間にわたり休館する事態となってしまいました。市独自の判断としては、成人式の延期なども含めて記憶に新しいところであります。
 緊急事態宣言等の発令により、国・府から施設利用の制限について要請が出た場合は一定仕方がない部分もありますが、市独自の判断で国・府の要請以上に文化施設やスポーツ施設等に対して利用制限やイベントの中止等を実施することは、市民の生涯学習活動やスポーツ活動に大きな影響を与えることはもちろんのこと、本市を中心に活動されている芸術家やアスリートへの影響も大きいものと考えます。
 そこで、改めて、新型コロナウイルス対策本部会議として、施設の利用制限やイベントの中止等を行う際の判断基準について、お伺いします。

危機管理監
 施設利用やイベントの取扱いにつきましては、市の感染状況等を踏まえ、独自の利用制限を行う場合も考えられますが、現在は大阪府に準じた対応を基本としており、今後もこれに基づいて判断してまいります。

かとう治
 繰り返しになりますが、市民待望の総合文化芸術センターが9月にオープンされ、収容率100%で発売されたチケットが既に完売されている現状より、市民の皆様が大いに期待されているのが伝わってきます。
 全国はもちろん、枚方市において、今後も新型コロナウイルス感染症との闘いは継続していくであろうと想定されますが、これまでに本市としては、感染対策としてソーシャルディスタンスの徹底を行ってきた経緯がございます。また、新型コロナウイルス感染症が一過性なものではないと知れたときより、ウィズコロナを目指して枚方市が一丸となって取り組んできたとも認識しております。
 そうしていく中で、新型コロナウイルス感染症についても次第にウイルスの特性が分かってきており、例えば緊急事態宣言は発令しているが映画館が利用できるようになったなど、以前より具体的な対策が執り行えるようにもなってきました。だからこそ、緊急時には国や府に準ずることも理解していますが、なるべく市民の生涯学習活動並びに本市を中心に活動されている芸術家やアスリートの目線を持ち、対策を徹底することで、機会を提供していただきますよう要望させていただきます。

地域包括ケアシステムの在り方について

かとう治
 先日、介護保険サービスの申請がしたいと地域包括支援センターへ相談に行かれた市民の方から、地域包括支援センター職員の対応について相談を受けました。その方は、介護サービスを利用するための認定調査を希望されたということですが、地域包括支援センター職員から、自宅よりここまで来られたのなら介護は必要ではないとの判断を受け、医師からの指示があったにもかかわらず、申請することができなかったとのことです。
 そこで、まずは地域包括支援センターの役割についてお伺いするとともに、主治医の診断により必要と認められた認定調査員による調査前に、地域包括支援センター職員が介護の必要性について判断を行うことになっているのかについて、お伺いします。

福祉事務所長
 地域包括支援センターは、地域の高齢者の介護、福祉、健康、医療などの総合相談窓口として市内13か所に設置しており、介護保険法における自立支援の理念に基づき、心身機能の維持、向上を目的とした介護予防事業や介護認定代行申請を含めた介護予防支援事業所と、権利擁護支援などの包括的支援事業の役割があり、高齢者が自立して生活できるような様々な支援を行っております。
 介護サービスの利用は、要介護・要支援判定を行ってもらうために、地域包括支援センターで申請し、認定調査が行われ、介護認定審査会で判定されるものであり、地域包括支援センターが直接判断するものではありません。

かとう治
 先ほどの質問では、介護サービスの利用は、要介護・要支援判定を行ってもらうために地域包括支援センターで申請し、認定調査が行われ、介護認定審査会で判定されるものであり、地域包括支援センターが直接判断するものではないとの御答弁をいただきました。
 枚方市では、平成18年から、包括的支援事業すなわち地域包括支援センターの運営を社会福祉法人等へ委託を行って実施されており、今年度も、昨年度までと同様の社会福祉法人等との随意契約をされたと伺っております。これまでに行政とセンターで培ってきた経験や連携は非常に大切だと思いますが、一方で、新しい法人が参入しにくい状況となっていることは、サービス向上につながらないのではないかとも懸念されます。
 今回のように市民の方から相談を受けた事例も大変大きな問題だと思われますし、その他にも、本来の役割に沿った対応がなされていないのではないかなどと苦情を伺っておりますが、そのような地域包括支援センターに対する意見については、どのように集約され、随意契約時の判断材料となっているのかについて、お伺いいたします。

福祉事務所長
 地域包括支援センターの委託契約は、実地指導や業務実績報告などを基に、地域包括支援センター運営等審議会の意見聴取を経て契約を行っております。
 令和2年度は、ひらかた高齢者保健福祉計画21の第8期計画策定過程の中で、枚方市民生委員児童委員協議会や枚方市校区福祉委員会協議会の御協力をいただき、センター運営についてのアンケート調査を実施いたしました。お寄せいただきました御意見の中には、センター職員の対応についての御指摘もあり、審議会と地域包括支援センターへ結果報告を行いました。

かとう治
 枚方市では、平成18年から、地域包括支援センターの運営を社会福祉法人等へ委託してこられました。今後、より一層少子・高齢化が進んでいくことにより、高齢者において介護のニーズが高まっていくことが想定され、地域包括支援センターが担う役割はとても重要だと考えます。
 この件については、枚方市だけではなく、全国的に社会問題としてクローズアップされているのが現状です。だからこそ、地域包括支援センターの役割について、先ほどおっしゃられましたセンター運営のアンケートなども参考に、しっかりと見直していくべき必要があるのではないでしょうか。
 介護保険サービスが必要かどうかの判断は、認定調査員による調査結果や主治医の意見書を基に介護認定審査会にて判断されるものであり、地域包括支援センターの職員が判断するということは、とても危険ではないかと思っております。あくまでも要介護・要支援判定を行ってもらうために申請を受け付けるところであり、医師でない方が身体における判断を行うことは非常に問題であり、看過すべきでないとはっきり申し上げます。
 また、市民の方々が抱えるセンターに対する苦情についてですが、今後のことを考えると、多くの不満はあるが、実際に苦情を言うことによって事業者からどのように思われるかなどが心配で言い出せないとの御意見も伺っております。そういった点も踏まえて、まずは市民の方々が遠慮なく様々な相談や意見をはっきりと言える環境を整え、苦情などの解決を図っていくのが重要ではないでしょうか。
 そのためにも、枚方市が主体となり、本来のガバナンス体制を再構築し、地域包括ケアシステムの具体的な見える化をより一層行っていくとともに、明確な対処をするために医師とも連携を深め、市民を中心に置いた選択をしっかりと行っていただくよう要望させていただきます。

東部地域の都市計画道路について

かとう治
 東部地域については、我が会派の漆原議員や高野前市議会議員がこれまでにも多く質問されてきましたが、長尾東町地域への主なアクセス道路は、府道交野久御山線の新宇治橋交差点から分岐する市道長尾京田辺線だけとなっております。このため、仮に自然災害などが発生し、長尾京田辺線が通行止めになった場合には、地域の皆様の生活に大きな支障が出ることが懸念されます。
 現在整備が進められています都市計画道路牧野長尾線は、長尾東町地域の皆様にとっては主要な道路になるものであり、長尾京田辺線を補完する重要な役割を担う路線であることから、早期の整備が期待されます。
 そこで、この牧野長尾線の中でも、特に早期開通を必要とする交野久御山線から長尾京田辺線までの進捗状況と今後の予定について、お伺いいたします。

土木部長
 都市計画道路牧野長尾線の府道交野久御山線から市道長尾京田辺線までの区間の進捗状況については、昨年度完成したJRアンダーパス工事に引き続き、その西側の長尾播磨谷地区及び東側の長尾東町地区において道路整備工事を進めているところです。
 今後の予定といたしましては、令和4年度中の供用開始に向けて、着実に整備を進めてまいります。

かとう治
 牧野長尾線の交野久御山線から長尾京田辺線までの区間については、令和4年度中に供用開始していただけると御答弁をいただきました。着実に進めていただくよう期待しております。
 次に、枚方市の東部地域では、先ほど質問しました牧野長尾線のほかに、令和2年度から都市計画道路長尾杉線の工事に着手されたとお伺いしています。長尾杉線につきましては、東部地域の渋滞緩和や地域住民の利便性の向上、さらには令和7年度稼働予定の可燃ごみ広域処理施設へのごみ収集車等の通行経路を確保する観点からも重要な道路であると考えており、一日も早い開通が望まれています。
 そこで、長尾杉線の中でも優先的に取り組んでおられる国道307号から国道1号バイパスまでの杉工区の進捗状況と今後の予定について、お伺いします。

土木部長
 長尾杉線につきましては、東部地域の渋滞緩和や道路ネットワークの強化などを目的に、早期効果発現の観点から、杉工区の整備に優先的に取り組んでおります。
 当該工区につきましては、平成30年度に都市計画事業の認可を取得して以降、鋭意道路整備に取り組んでおり、引き続き国や府警本部など関係機関との調整を行い、令和5年度の完成を目指し取り組んでまいります。

かとう治
 東部地域の都市計画道路についての意見や要望は、後ほど、長尾駅周辺まちづくり全体として言わせていただきます。

長尾駅周辺のまちづくりについて

かとう治
 長尾駅周辺地域は、現在進められている都市計画道路牧野長尾線及び長尾杉線の整備により交通の利便性が向上する一方で、無秩序な開発が進行することについて、地域の方々は非常に懸念されております。
 そのようなことから、長尾地域の役員の方々などで組織される枚方市長尾地域まちづくり推進協議会を立ち上げ、豊かな自然と快適な生活空間が調和した郊外型のゆとりのある計画的なまちづくりの検討に取り組んでおられます。
 私は、本年3月の代表質問において、長尾駅周辺のまちづくりの将来像についてお聞きし、「今後、地権者の方々をはじめ、地域の意向をしっかりと確認しながら、土地利用のゾーニングを定めるなど、まちづくり構想の策定に取り組んでいきます」との御答弁をいただいております。
 そこでお伺いしますが、長尾地域周辺のまちづくり構想の具体的な検討内容と、地域とどのように連携し取り組んでいかれるのか、お伺いします。

都市整備部長
 長尾駅周辺のまちづくり構想につきましては、長尾駅周辺の市街化調整区域約95ヘクタールを検討区域といたしまして委託業務を発注しており、枚方市都市計画マスタープランや枚方市立地適正化計画などの上位計画との整合を図り、策定を進めているところでございます。
 具体的な内容といたしましては、枚方市長尾地域まちづくり推進協議会などの多様な主体と連携して、地権者を対象としたアンケート調査や勉強会の開催、また複数の民間事業者に対して参画意向などのヒアリング調査を実施し、地権者意向の把握や、まちづくりを行う上での課題を抽出する考えです。
 これらの結果から、地域が主体となったまちづくりの基本方針や土地利用のゾーニングなどの検討を行うことで、地域のポテンシャルを生かした公民連携による計画的なまちづくりにつながるものと考えております。

かとう治
 まちづくり構想を策定していく上で、地域との連携については理解いたしました。
 しかしながら、地域が主体となってまちづくりを進めていくためには、地域の活動に対しても積極的な支援が必要不可欠であると考えています。
 そこで、市として、今後、地元の組織が円滑に活動できるよう、具体的にどのような支援を行っていかれるのか、お伺いいたします。

都市整備部長
 地元組織への支援につきましては、組織活動のサポートやまちづくりを進めていく上での勉強会の開催時における職員の講師派遣をはじめ、技術的支援を積極的に行ってまいります。
 また、会議資料の作成や勉強会などの意識啓発に関わる経費に充当できる公益財団法人大阪府都市整備推進センターのまちづくり初動期活動サポート助成が活用できるように、調整を行っております。

かとう治
 長尾地域の都市計画道路については、先ほどお聞きした牧野長尾線と長尾杉線の整備が進められているところですが、長尾駅と牧野長尾線を結ぶ長尾東通線は、市の財政状況や都市計画道路の整備の優先順位を踏まえると、都市計画道路の単独整備の場合はかなり先になるものと考えます。しかしながら、長尾駅東側の市街化調整区域のまちづくりが具体化すれば、都市計画道路も併せての整備は可能であると考えます。
 また、交通量の多い府道交野久御山線の一部の区間には歩道がないため歩行者が危険な状態にあることも含め、まちづくり構想を策定するに当たっては、都市計画道路の整備や府道の拡幅整備を含めた検討もお願いしたいと思います。
 これから始まる長尾駅周辺のまちづくりについては、地域と行政が連携していかなければ、よいまちづくりは実現しないと思います。そういった点も踏まえて、今後も引き続き、地域への支援と協力をしていただきますよう要望させていただきます。

コロナ禍における医療・介護従事者への支援について

かとう治
 新型コロナウイルス感染症の対策として、医療従事者向け接種が最優先で開始され、現在、1回目の接種が約8割完了し、介護従事者については、本市では5月25日から優先接種の事前申請が始まったところです。
 休業することができない業種として、医療、介護を担う従事者へのワクチン接種が優先的に進められているところですが、休業要請がなされない医療従事者として、例えば鍼灸マッサージ、柔道整復といった業種については、大阪府ではワクチンの優先接種の対象となっておりません。
 医療従事者へのワクチン接種の全国的な状況と、医療従事者に対するワクチンの優先接種に関して、本市はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

健康福祉部長
 医療従事者への接種は都道府県が実施するもので、その範囲は国が定めており、鍼灸マッサージ、柔道整復につきましては、その対象に含まれてございません。
 また、東京都では、大規模接種会場での接種の対象に、64歳以下の消防団員や柔道整復師、鍼灸師などの医業類似行為に従事する方、獣医師を対象とする予定で、また、愛知県では、医療従事者に準ずると位置づけ、ワクチン予約のキャンセル枠に充てるとの報道がされております。
 本市といたしましては、医療従事者に対する優先接種に関しましては、国が示す接種順位の考え方に基づき、大阪府による判断となるものと考えているところでございます。

かとう治
 1回目の答弁では、医療従事者へのワクチン接種は都道府県で実施されており、本市としては、国が示す接種順位の考え方に基づくとの回答をいただきました。この件について、後ほど意見、要望で述べさせていただきます。
 さて、医療・介護従事者への支援として、昨年には医療機関、介護施設へ全国一斉に慰労金が交付されるとともに、マスク、手袋等の配布などが行われてきております。また、薬剤師、薬局に対しましては、このたび市独自で薬局単位で5万円、薬剤師1人につき5万円の商品券が応援金として支給されたのが記憶に新しいところです。
 そこで、本市において、これまでに鍼灸マッサージ、柔道整復などの事業者に対してどのような支援が行われてきたのか、お伺いします。

健康福祉部長
 この間の鍼灸マッサージ、柔道整復師等の事業者に対する支援といたしましては、国の持続化給付金、緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金、本市の事業継続固定費支援金のほか、現在受付を行っております小規模事業者事業継続支援金が給付対象となっております。
 次に、マスク、手袋等の衛生用品の配布につきましては、クラスター防止の観点から、病院、診療所、障害・介護施設へ配布させていただいておりますが、鍼灸マッサージ、柔道整復などの事業者への配布の実績はない状況にございます。

かとう治
 これまでに、全ての事業所が対象となる支援はあったが、医療従事者としての支援はないとのことです。
 鍼灸マッサージ、柔道整復に従事されている皆さんは、休業要請支援金の対象にもならず、施術を必要とされている方のために、衛生材料が枯渇し高騰している中でも、経費をかけて感染対策を取り、施術の継続をされてきております。こうした業種の方は、大変厳しい状況の中で、市民の健康を維持するために尽力いただいているわけですが、改めて本市はどのように捉えられているのか、認識をお伺いします。

健康福祉部長
 新型コロナウイルス感染が拡大する中、休業要請の対象外である鍼灸マッサージ、柔道整復を含む医療施設や社会福祉施設、日常生活の継続に必需である事業者の皆様におかれましては、市民生活の維持のため事業を継続していただき、大変感謝しているところでございます。

かとう治
 令和2年5月22日に休業要請の対象として発表された支援金対象・対象外施設一覧によると、支給対象外として、医療施設(国家資格有資格者が治療を行うもの)として、病院、診療所、歯科、薬局、鍼灸・マッサージ、接骨院などとなっております。また、医療従事者として「適切な感染防止対策の協力を要請」と追記がされておりました。
 しかしながら、令和3年2月17日に発表された医療従事者等の範囲についてでは、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マツサージ指圧師は、医療従事者の範囲より外されており、医療従事者へのワクチン接種においては対象とならなかった経緯がございます。
 柔道整復師は、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの急性疾患や付随する後療、鍼灸治療では神経痛や頸椎捻挫後遺症、リウマチ、腰痛症などの疼痛緩和、あん摩マツサージ指圧師では、病名というくくりではなく、関節拘縮や麻痺などの症状、例えば脳梗塞の後遺症などに対して医療保険での施術が行われています。現場の声では、なぜ先生はワクチンの接種を受けていないのなどと患者さんより聞かれており、また、高齢者施設への往診についても、接種をされていないために施設への入室を断られているのが現状です。また、急性疾患も診るため、スポーツで捻挫したとLINEされた患者さんより、次の日、電話にてコロナに感染したとの報告もあったと、ひやりとした経験などもお伺いしております。
 先ほどの答弁でもありましたが、東京、愛知、鳥取などの都道府県では、災害時などでも必要性が高まるとして、集団接種においてですが、ワクチンの優先接種が認められたところです。
 最後になりますが、本市としては、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マツサージ指圧師に対し、厚生労働大臣免許の保有者としてしっかりと認知していただき、新型コロナウイルス感染症につきましては、今後もさらなる対策が必要だと想定されますので、その際には、それぞれの業を理解した対応を、いわゆる昨年であればマスクや消毒液などを、そのような状況下で支援などを行っていただきますよう要望いたします。
 以上です。ありがとうございました。

※市議会での発言内容の要旨を項目ごとに整理して記載していますので、発言の全文については 枚方市議会の会議録 をご覧ください。

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